2021-2022のUEFAヨーロッパリーグ(EL)の決勝が18日、スペイン・セビージャで行われ、鎌田大地、長谷部誠が所属するフランクフルト(ドイツ)とレンジャーズ(スコットランド)が対戦した。互いに1点ずつを取り合ったものの、試合は90分、延長戦でも決着つかずPK戦へ突入。鎌田を含め5人全員が決めたフランクフルトが、5-4でレンジャーズを下し、見事に優勝を飾った。

上写真=フランクフルトが激しい戦いを制してEL優勝!(写真◎Getty Images)

79ー80シーズン以来、2度目の頂点!

フランクフルト対レンジャーズの決勝戦。どちらも勝てばヨーロッパリーグ初優勝。序盤からファイナルらしい激しい攻防が繰り広げられた。フランクフルトの鎌田は左のシャドーとして先発し、長谷部誠はベンチスタートとなった。

 ポゼッションはほぼ互角ながら前半からシュートの数ではフランクフルトが勝った。一方でレンジャーズも素早い攻守の切り替えからシュートゾーンに進入していく。前半は得点が生まれず、迎えた後半。相手のミスを逃さず、レンジャーズがネット揺らす。

 味方のバックパスを受けたフランクフルトのGKケヴィン・トラップが大きく蹴り出したが、レンジャーズはそのボールをヘディングではじき返した。すると、前に出ようとしていたジブリル・ソウがジャンプして頭で触るも、ボールはゴール方向へと飛び、レンジャーズのFWジョー・アリボの前方へと落ちた。寄せてきた相手CBルーカル・メロが転倒する中、そのまま前進し、最後はGKの位置を見てしっかり蹴り込んでみせた。

 直後に転倒の際に足を痛めたメロに代わって長谷部が出場。フランクフルトは日本人2人が同時にプレーする中で、1点を追いかけることになった。67分にはボックス右から鎌田がループシュートを狙ったが、ゴールを捉えず。ゴールを目指して圧力を強めるフランクフルトに対し、レンジャーズも集中した守りで対応していった。

 堅く守るレンジャーズの防御壁を突破したのは、何度もチームを救ってきた10番と準決勝第2戦でも決勝点を挙げたFWだった。左ウイングバックのフィリップ・コスティッチが左サイドでボールを持つと、目の前にもゴール前にも敵がいる中で素早い振りから高速クロスを最終ラインとGKの間に供給してみせる。ボールは鋭く、レンジャーズ守備陣にとってはまさかのタイミング、まさかのコースだったはずだ。ただ、サントス・ボレは準備していた。抜群のタイミングで飛び出すと、右足を合わせて同点ゴールを叩き込んだ。

 90分では決着つかず、1-1で試合は15分ハーフの延長戦に突入。延長前半には相手のトラップミスを逃さずボールを奪ったボレが惜しいシュートを放ち、カウンターからアンスガー・クナウフがボックス付近まで駆け上がって狙うなどフランクフルトがやや優勢だった。途中から3バックの中央でプレーする長谷部も途中からキャプテンマークを巻き(交代したローデから引き継ぐ)、タイトな守りを実現した。

 レンジャーズも延長後半に右クロスにライアン・ケントが飛び込みシュートを放ったが、GKトラップの好守に遭って決め切れず。ジェームズ・タヴァーニエがゴール右上を狙った直接FKもコースは良かったが、トラップに押さえられた。

 結局120分でも決着つかず、PK戦で勝敗が決まることになった。先行はレンジャーズ。3人目まで成功し、フランクフルトの3人目を務めた鎌田も右ポスト内側を叩くキックで成功。そして3-3で迎えたレンジャーズの4人目、アーロン・ラムジーのキックをGKトラップがストップしたフランクフルトは、その後4人目のコスティッチが決め、5人目のボレも見事に成功してみせる。PK5-4でフランクフルトがUEFAカップ時代から数えれば2度目、ヨーロッパリーグに改称後は初となる優勝を成し遂げた。

 鎌田は120分の激闘を戦い抜いてフル出場、PKにも成功し、決勝でも重要な働きを見せた。ファイナルに至る過程でも5ゴールを挙げてタイトル獲得の立役者となった。長谷部も味方の故障により決勝では急遽の出場となったが、素早くゲームの流れに乗り、激しくタイトな戦いの中で役割を全う。2人の日本人が大舞台で改めて自身の価値を示した一戦でもあった。

画像: 5人目のキッカー、ボレが成功した瞬間、フランクフルトの優勝が決まった(写真◎Getty Images)

5人目のキッカー、ボレが成功した瞬間、フランクフルトの優勝が決まった(写真◎Getty Images)


This article is a sponsored article by
''.