ラ・リーガ(スペインリーグ)の31節が現地9日に行われた。久保建英が所属する18位のマジョルカはホームで4位のアトレティコ・マドリードと対戦。強豪相手に粘り強い戦いで勝ち切り、残留に向けて大きな3ポイントを手にした。

上写真=勝利が決まった瞬間、マジョルカの選手たちは抱き合って喜んだ(写真◎Getty Images)

久保の登場で前方向のプレーが増加

 目下、マジョルカは7連敗中。監督交代後の初陣となった前節のヘタフェ戦も0-1で落としていた。新指揮官はかつて日本代表を率いたこともあるハビエル・アギーレ。守備の安定と勝ち点をしぶとく拾う狙いか、この日のアトレティコ・マドリード戦も、前節と同様に3-5-2のフォーメーションを基本に、守備時には5-4-1で構えて戦った。

 そして久保建英も前節と変わらずベンチスタートとなった。ただ異なったのは、その登場時間だ。前節は86分と終盤にピッチに入ったが、アトレティコ戦では54分から出場。アウェーの前回対戦でゴールを挙げ、勝利の立役者になった久保に、0-0で前半を終えたチームにさらなる活力を与える役割が託された。

 相手ボールの際には前から追って味方の守備を助け、マイボールになれば、巧みなポジショニングでパスの受け手となった。久保の登場を機にマジョルカは徐々に攻撃の形をつくり始めていった。スキルフルなドリブルも効果的でボールを前進させるとともに相手のファウルを誘った。そして65分にはパブロ・マフェオのロングスローの流れからボックス内に進入してシュートも放ってみせた。久保のプレーがそれまでとはまた異なるリズムをチームに生み始めた。

 その直後のことだった。イドリス・ババの縦パスをボックス内で受けたマフェオがヘイニウド・マンダーヴァに足を踏まれて転倒。PKを獲得した。これをベダト・ムリキが決めてマジョルカが先制に成功する。

 1点をリードした後も、マジョルカは局面局面で戦う姿勢を持続してみせた。久保もボールの争奪戦に激しく挑み、空中戦では相手に体をぶつけ、ハードワークし続けた。4日前にチャンピオンズリーグでマンチェスター・シティとのビッグゲームを戦ったアトレティコの選手たちに疲れもあっただろう。ただ、マジョルカの選手たちは徹頭徹尾、意欲的で集中力が切れることもなかった。

 果たしてマジョルカはPKで得た虎の子の1点を守り切った。終了の笛が鳴った瞬間にピッチに突っ伏し、涙を流す選手がいたことが、この勝利の重要性を表している。マジョルカは連敗を7でストップし、順位も降格圏から勝ち点1差ながら17位に浮上。残留に向けて、大きな大きな3ポイントを手にした。


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