U-24日本代表は31日、準々決勝でニュージーランド(NZ)と対戦し、激闘を制して準決勝進出を決めた。0-0で迎えた向けたPK戦で活躍したのが、GKの谷晃生だ。相手のキックを読み切り、冷静かつ思い切りのいいプレーで勝利を手繰り寄せた。その姿は、まさに守護神だった。

上写真=PK戦で大仕事をやってのけた谷晃生(写真◎JMPA)

■2021年7月31日 サッカー男子準々決勝(@カシマスタジアム)
日本 0ー0(4PK2) ニュージーランド
得点:なし

ばっちりタイミングが合いました

「ヒーローになって来い」

 120分を戦った試合は決着つかず、突入したPK戦の直前。GKの谷晃生は、川口能活コーチから相手キッカーのクセについてアドバイスを受けた。「キッカーの情報が紙に書いてあって、バッーっと見ていたんですけど、なかなか覚えられないというか、でも能活さんにも最後、『お前の判断で、お前が自信をもってやれば絶対に止められると思う』と言ってもらいました」。そして最後に、冒頭の言葉で送り出された。

 そして谷は、ヒーローになった。

 互いに1番手のキッカーが決めて1-1で、相手の2番手キッカー、カカーチェと対峙する。蹴った瞬間、右に飛び、見事にストップ。完全にキックを読み切っていた。

「ばっちりタイミングも合いましたし、よかったと思います」

 大仕事をやってのけた谷だが、試合後には事も無げにプレーを振り返った。日本の3本目が決まり、3-1としたことで相手にプレッシャーをかけ、ニュージーランドの3人目、ルイスの失敗を誘発したと言えるだろう。日本は上田、板倉、中山、そして吉田と4人全員が決めて、準決勝進出を果たす。守護神・谷がそのプレーでチームを救ったのだ。

 延長を含めた120分間も、集中した守りを見せていた。なかなか点が取れない中で、カウンターから何度かピンチを迎え、相手の高さが脅威になる場面もあった。だが、集中力を切らさず、クロスにもしっかり対応。「難しいゲームになりましたけど、守備でゼロに終われたことが、こうやってPK戦で勝ちにつながったのかなと思います」。DFとともにクリーンシートを実現したことが、最後に勝利をつかむことにつながったと守護神は話した。

 事前合宿の取材の中で、オーバーエイジの存在について問われた谷は、「頼ってばかりはいられないですし、僕自身が頼もしいと思われる存在にならなければいけない」と話し、「後ろから自分が見えているものをしっかり伝えて、やり通せるか。最後に自分がゴールを守る仕事ができれば一番」と意気込みを語ってもいた。

 この日、谷はそんな「頼もしい」存在に違いなかった。そして「最後にゴールを守る仕事」を完璧にやり遂げた。


This article is a sponsored article by
''.