東京五輪代表(U-24日本代表)の中山雄太が8日、オンラインで取材に応じた。静岡県内で行なわれている合宿では左サイドバックとしてプレー精度を高めるべく、力を注ぐ。2週間後に迫った本大会に向けて意気込みを語った。

上写真=左サイドバックとしてのプレーをどん欲に学んでいる中山雄太(写真◎山口高明)

画面越しでも感じる熱い試合ができたら

 6月のメンバー選考の意味が強かった合宿とは異なり、今月5日に始まった合宿はチームを本大会仕様にブラッシュアップすることがテーマになる。中山はその中で左サイドバックとしてプレーするケースが多い。本大会でも自身がこだわりのあるボランチではなく、プレー経験豊富なCBでもなく、キャリアの浅い左サイドバックとしての出場が濃厚だ。

「任されたポジションは、どこでもやれるようにはしたいと思います。サイドバックでプレーすること自体、僕が楽しみとしている部分です。キャリアの中でそんなにやったことのないポジションであることにプラスして、ボランチのこだわりもありますが、世界的に見てもサイドバックとボランチを両立する選手は増えてきています。サッカーの進化に対して挑戦できるような部分もある。そういう面でも楽しさをすごく感じています。もちろん簡単な道のりではないですけど、僕としては新しいものへの挑戦で、楽しみがある。自分自身が成長するところも含め、すごくポジティブ」

 練習では左サイドバックとしてクロスを上げたり、ビルドアップでの立ち位置を確認したり、守備ではラインコントロールや寄せ方を積極的に学んでいる。左CBの冨安健洋には「大会までにクリアにしていきたい、挑戦していきたい部分があるので、そこをしっかりと『練習の中で出していくから』という話をしています」。さらに「単純にサイドバックのキャリアがないので、サイドバックの動きについて、どんどんトライ・アンド・エラーをしていきたいという感覚で、冨安に話をしました。新しいものへのチャレンジなんで、エラーは必ず付きもの。そのエラーに対して『(そういう失敗が)あるから、頭に入れておいて』と伝えました」と明かす。消極的にならず、積極的にトライすることをあらかじめ冨安に伝えているというわけだ。

 不慣れなポジションであることを後ろ向きにとらえず、中山は新しいチャレンジとしてとらえて前向きに習得に取り組んでいる。それは自身の成長もさることながら、チームへの貢献を誓うからだ。本大会に向けた直前合宿においても、「僕の心の中心は、もちろん目標である金メダル。そういう強い気持ちを持ってやっていきたい。その中で1日1日、成長できると思っているし、その作業の結果、目標が成就すると思う」と姿勢にブレはない。

 長らくこの世代のキャプテンを務めてきて、6月シリーズからはオーバーエイジでA代表でもキャプテンを務める吉田麻也がキャプテンマークを巻いているが、「僕自身はキャプテンマークを巻こうが巻かまいが、やることは変わらないと思います」とチームのために変わることなく、全てを賭して戦うつもりでいる。全てをかけるだけの価値が、今回のチームに、そして五輪という大会にあるからだろう。

「まずオリンピックを開催していただけることは光栄なこと。この状況下でありながら開催していただけるので。(無観客かどうかは)どうなるか分からないですが、たとえ無観客であったとしても、画面越しの観戦であっても、何か感じてもらえるような熱い試合ができたらと選手自身、僕自身も思っています」

 並々ならぬ思いと覚悟を持って臨む東京五輪。前向きで積極的な左サイドバックとして、中山はピッチに立つ。


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