U-24日本代表の冨安健洋がU-24ガーナ代表との試合に向けてオンライン取材に応じた。すでにA代表の主軸を担い、約3年ぶりにオリンピックエイジのチームに合流するDFは、地元福岡で開催される一戦に向けて「チームに安定感をもたらしたい」と意欲を示した。

上写真=合流した当初は別メニュー調整だった冨安健洋だが、現在は「100%でプレーできる」状態だという(写真◎サッカーマガジン)

後ろが安定すればチームも安定する

 A代表でレギュラーを務める冨安がU-24代表でプレーするのは、およそ3年ぶりのことだ。だが、違和感はない。最終ラインを組むであろう吉田麻也と酒井宏樹はA代表でプレーしてきたオーバーエイジ(OA)の選手。1列前にもA代表の主軸を担う遠藤航がおり、チームにアジャストしていく作業は必要でも、不安や心配はなかった。

「本当に頼りになる(OAの)3人がきてくれている。後ろが安定すればチームは安定すると思う。そういう意味では、力になってくれる3人。ただ、そうかといって頼りすぎるのではなく、自分もしっかりいい影響を与えることができればいいなと思います」

 3日に行なわれたA代表との試合では冨安自身は出場機会がなかったが、チームは3失点を喫することになった。準備期間が短く、急きょ決まった試合だったために、当然と言えば当然の結果。しかしながら「はっきり言えるのは個々のクオリティーは、A代表の方が上回っていたということ。あとはチーム力の差もあった。A代表の方がやるべきことがはっきりしていたというのが明らかで、U-24代表の方は難しさがもちろんありましたけど、オリンピックに向けてチームとしてやるべきことをはっきりさせて、メリハリをつけてチーム全体でプレーしてやっていくことが必要になると思います」と、差を痛感したのも事実だった。

 今回の合宿に合流直後は、右ヒザに違和感があったために別メニュー調整を続けていたが、現在は回復し、5日のU-24ガーナ代表との親善試合には出場濃厚だ。試合が開催されるベスト電器スタジアムは、アビスパ福岡出身の冨安にとって思い出深い場所。プロサッカー選手、冨安健洋の原点と言い換えてもいいだろう。「僕が育ったスタジアムでプレーできるので楽しみな気持ちの方が大きい」と、本人も帰還を楽しみにしている。

「(A代表との試合で)失点の時間が早かったのはゲームを左右する大きなポイントだったと思う。ゲームの入り、前半の終盤、しっかり締めるべきところは、後ろから全体に指示を出したい。後ろが落ち着いていればチームも落ち着く。そこの落ち着きを与えられればと思う」

 悪天候による飛行機の遅延もあり、札幌で足止めされて、ガーナ戦前日夜に福岡入りするという強行軍となった。コンディション調整は難しかったに違いない。だが、「ここまで予定していたものと変わることはなかなかないですが、自分たちが置かれた環境でベストを尽くすしかない。みんなプロサッカー選手であっていろいろな状況を経験している選手たちなので」と、冨安は変わらず全力でプレーすることを誓った。

 オリンピックエイジでありながら、すでにA代表でも欠かせない存在だ。五輪本番まで50日を切ったタイミングで合流した今回、冨安に期待されているのはオーバーエイジのような効果だろう。すなわちチームの水準を上げ、安定感をもたらすこと。4人目のOA、冨安のプレーが注目される。


This article is a sponsored article by
''.