2020年1月のU-23アジア選手権の退場により、田中碧は26日のU-24アルゼンチン代表戦に出場停止で出られなかった。今季、好調川崎フロンターレをけん引するボランチは、明日29日の再戦に『満を持して』登場することになりそうだ。

上写真=「チームで活躍するのは当たり前。こういう舞台で活躍してこそ素晴らしい選手」と代表での活躍を誓った田中碧(写真◎JFA)

次に負けたら五輪なら予選敗退

 U-24アルゼンチン代表との再戦を翌日に控え、田中碧がオンライン取材に応じた。外から眺めた前回の試合について、あくまで『ピッチ外』からの印象と断ったうえで自身の見立てを語っている。

「素晴らしい相手で、強かったと感じました。実際のピッチの強度だったり迫力というのは分からないですが、見ながら自分だったらこうしようだったり、こうすれば2列目の選手が生きるかなとか、そういう目線で見ることができたのは良かった」

 強豪アルゼンチンの攻略と日本の攻撃の活性化について、田中はしっかりイメージを膨らませていた。ビルドアップに安定感をもたらすこと、そして「素晴らしい2列目の選手」にいい形でボールを渡すこと。次戦で出場機会を得たら、それらを率先して実践したいと話した。つまりそれは、田中が見いだした改善点。日本の『可能性』と言い換えることもできるだろう。

「距離感もそんなに良くなったのかなと思います。遠い距離よりかは近い距離でプレーしたほうが生きる選手たちなのではないかと感じました。距離感や、三角形を作るとか孤立させないとか、そういう部分は非常に重要になると思う。ただアルゼンチンもすごいコンパクトで堅いブロックを作っていたので、サイドから行くことも重要になるし、でも外の周りになり過ぎると、それはそれで崩せない。まずは中央を見せたり、そこの動かしを意識してやっていきたい」

 相手の陣形を動かし、攻め筋を探っていく。前回対戦では、日本にそうしたアプローチはあまり見られなかった一方でアルゼンチンは先行してからのペースダウンやプレスをいなすロングボールの使い方、相手にボール持たせながら集中して守って時計の針をしっかり進めるなど、試合巧者ぶりを見せつけた。

「日本人の中でも素晴らしい選手たちとやれる。そこはやっていても楽しいですし、この前の試合も相手も強いし、見ていても面白いゲームをしていたと思う。だからこそやっぱり勝つことが求められるとも思います。次、負けるとしたらオリンピックだと予選敗退になる。必ず勝ち点3を取れるように全員でやりたいなと思います」

 中2日で試合を開催するなど、今回のアルゼンチンとの2連戦は本大会を想定しているが、そうだとすれば初戦を落として2戦目に臨むということにもなる。田中はその意識をもって明日の試合に臨みたいと言った。「(前回の)試合が終わった後も、選手で話す時間は多かったですし、僕は少し遅れてロッカーに行ったんですけど、どんよりしているかなと思って入ったら、全員が全員、切り替えていた。もちろん負けを反省することは大事だし、必要なことですけど、オリンピックという目線を全員が持っていると感じました。次の試合に向けて、各々がしっかり準備をしていると思う」。

 アジア選手権の出場停止処分が今回の試合で消化されて五輪本大会の初戦にサスペンションが残るという最悪の事態は免れた。メンバー入りに障害はなくなり、あとはその力をピッチで示すだけ。

「オリンピックも近いですし、A代表のボランチの選手を見ていても素晴らしいパフォーマンスをしている。そういう選手たちに追いつくためには自分もここでレベルの高いパフォーマンスをこのピッチで示していかないといけない」

『落とせない2戦目』。田中碧が満を持して、ピッチに立つーー。


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