東京五輪世代の国内組による『U-23日本代表候補トレーニングキャンプ』は3日目を迎え、ますます熱を帯びている。相馬勇紀はアピールに努める選手たちの意欲を感じながら自らも強い決意で練習に取り組んでいる。

上写真=一つ一つのプレーと結果にこだわって練習に臨んでいる相馬勇紀(写真◎サッカーマガジン)

僕と三笘薫も、他の選手もみんな特徴が違う

 1年ぶりの活動だが、参加した選手たちはこの合宿の意味を十分に分かっている。相馬はそのことを初日から肌で感じたという。

「初日の練習から、ポゼッション練習のときとか、本当に激しい練習になっていた。僕が今まで参加してきた中で一番激しい初日だったんじゃないかっていうくらい。全員が目の色を変えて、アピールしようという気持ちが伝わってきましたし、僕もアンダー世代の代表に呼ばれるのは3回目ですけど、まだまだ全然、選ばれたばっかりのほう。そこでどれだけ自分が戦えるかが大切になってくると思う。今は戦うところをまず意識してやっています」

 メンバー生き残りをかけて、自らをアピールするのが今回の合宿のテーマだ。森保一監督もそのことを強く求めている。甘い考えで参加している選手がいるはずもない。

 オリンピック本番に参加できるのは、わずか18人。オーバーエイジの3枠を使うとすれば、この世代から選ばれるのは15人となる。海外組や天皇杯に出場する川崎フロンターレとガンバ大阪の選手は今回の合宿では招集外。参加者のうち、いったい何人が五輪のピッチに立てるのか。相馬は自分自身の立場を踏まえて、厳しい競争を勝ち抜く決意を口にした。

「常にチャレンジャーというところは変わらないですし、自分がメンバーに選ばれ続けているとも思っていない。名前を出すと、(三笘)薫を筆頭に、今年のJリーグで活躍している選手がどんどん増えていった中で、自分は結果を出せていないので、悔しさも残っています。ただ、だからといって落ち込むこともないし、負けると思うこともない。結果が足りないということを自分にしっかり突きつけながらも、メンバーに入る、メンバーに入ったあとに活躍できるところまでしっかり考えてやっていきたいです。立ち位置を説明するのは難しいですけど、僕はまだまだ。しっかりメンバーに食い込むためにチャレンジ精神を持ってやろうと思っています」

 今季、所属する名古屋では、31試合に出場。うち先発は15試合。途中から流れを変える存在として起用されることも多かった。ただ、得点は2に留まり、アシストを量産することもできなかった。ドリブルワークはさすがと思わせたものの、目に見える形でチームを勝たせる存在になれたかというと、本人も言うように物足りなさも残った。

「今年は結果が全然出ていないのは悔しいですし、まだまだ足りないところだと思っています。結果はどの舞台でも一番大切なものだというのが自分自身の考え。今回、呼んでいただいているということで、この中での存在感を出していかないといけないと思うし、代表活動でもとにかく、まず結果を意識してプレーしていきたいと思っています」

 今回の合宿では4-2-3-1の2列目の左サイドハーフでプレー。練習から結果にこだわって、持ち味のアピールに努めている。

「(今年のJリーグでは三笘が)圧倒的に力を出していたと素直に思います。ただ、僕自身は大学であったり、それ以前から意識して大切にしている軸の部分は変わらないので、これからも出していこうと思います。僕と薫の特徴は違うと思うし、他の選手もみんな特徴が違うと思っているので、結果はリスペクトしながら、僕には僕の良さがあると思うし、それをどれだけチームに還元して、自分の結果につなげられるかが大切。自分の個性を出していきたいなと思います」

 そう語る相馬の目の色も、違った。合宿は残り2日。持てるすべてを出し切るつもりでいる。


This article is a sponsored article by
''.