6月10日の北中米ワールドカップアジア最終予選の最終戦で、日本はインドネシアに6-0で圧勝。フレッシュなメンバーが躍動したが、日本代表デビューを果たした三戸舜介がその最初だった。鎌田大地の先制点をアシストして、いきなりアピールに成功だ。

上写真=三戸舜介はデビュー戦で切れ味鋭いドリブルも生かした(写真◎Getty Images)

■2025年6月10日 アジア最終予選10節(観衆33,661人/@吹田S)
日本 6-0 インドネシア
得点:(日)鎌田大地2、久保建英、森下龍矢、町野修斗、細谷真大

「インスイングのクロスは狙っていた」

 日本代表デビューを先発で果たした三戸舜介は、「こういう形で勝利できたことは、いいデビュー戦だったと思います」とにこやかだった。

 左ウイングバックで起用された背番号14は、キックオフから15分でいきなり爪痕を残した。左裏に走って鎌田大地からのボールを引き出し顔を上げると、相手は誰も寄ってこない。時間を使って落ち着いて送った右足のクロスを鎌田の頭に合わせて、先制ゴールをアシストしたのだ。

「あのアシストのシーンは、練習からもインスイングのクロスは狙っていたので、いい形ができてよかった」

 そう爽やかに振り返ったが、続けた言葉は「ほかのシーンでも得点が取れたらよかったと思います」。

 28分に左裏にダッシュしてボールを引き出すと、左足で低いシュートを狙ったが、GKが伸ばした手にかき出された。後半からはシャドーにポジションを移してよりゴールに近い場所でプレーしたが、53分に左から放った得意のミドルシュートは、うまくミートせずに右へ。61分には佐野航大と交代でピッチをあとにして、森保一監督のねぎらいを受けた。

 最初に与えられたウイングバックのポジションは、「未体験ゾーン」だった。

「ウイングバックは初めてやって、アップダウンのところでまだ体が慣れていないところもあったんですけど、そこも自チームに帰ってやっていかなければいけないし、戦術的なところも理解できたので、その部分を向こうに帰っても組み合わせながらやっていきたい」

 プレスではめにいくときには、オーストラリアの右ウイングバックの選手にボールが入るたびにダッシュしてその前に立った。逆に相手がロングキックで裏を狙ってくれば長い距離のスプリントをかけて戻らなければならない。34分にはまさに裏を狙われてダッシュで戻り、ダイビングヘッドでGK大迫敬介に戻す守備も見せた。

 アルビレックス新潟からスパルタ・ロッテルダム(オランダ)に渡ってキャリアを重ね、パリ・オリンピックでも活躍したが、フル代表での挑戦はまさにスタートラインに立ったばかり。左ウイングバックやシャドーでは、この試合だけでも三戸のほかに中村敬斗、鎌田大地、佐野航、俵積田晃太がプレーした。なにより、このチームの第一人者である三笘薫、南野拓実は今回は選ばれていない。

「やっぱり目に見える結果、ゴールだったりアシストが一番大事だと思うので、その次に自分の特徴を存分に出していければと思います」

 ライバルは多すぎるほど多いが、164センチの小柄な体を逆に利用したクイックネスと、パンチ力のあるミドルシュートはオリジナルの持ち味。その組み合わせを磨いて、貪欲に挑んでいく。


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