上写真=鈴木淳之介はインドネシア戦でデビューを狙う(写真◎サッカーマガジン)
「めったにないチャンス」
日本代表のDF陣が緊急事態だ。オーストラリア戦に出場した町田浩樹、渡辺剛が負傷で試合後に相次いで離脱、板倉滉、谷口彰悟、伊藤洋輝、冨安健洋といった面々も今回は選ばれていない。DF登録の選手ではほかに瀬古歩夢、関根大輝、高井幸大がオーストラリア戦でプレーしていて、残るは大ベテランの長友佑都のほかには、初代表七人衆の一人、鈴木淳之介がいる。
「めったにないチャンスだと思いますし、そのチャンスをつかむためにも自分の価値をしっかり出していきたい」
鈴木にとっては絶好機だ。湘南ベルマーレでボランチからセンターバックにコンバートされておよそ1年、一気にフル代表まで駆け上がった。そのスピード感そのままに、初めての代表活動にも臆するところはない。
「しっかりと自分のプレーを出して、ぶつけてやっているので、そのリターンがどう転ぶかをいま、ちゃんと見極めながらやっています。レベルの高い選手とピッチでいい関係を築けていると思います」
自分の持てる力をそのままぶつければ、それに応えてくれるメンバーばかりだ。
「自分がJリーグでやっているプレーがこういう舞台、上のレベルでやっている人たちに通用するかというのを、ちゃんとぶつけてどうか、それを感じていくことがリターンということです」
ぶつけて、返ってきた感触をまた消化して生かす。その繰り返しを、日本で最高の舞台でできる刺激を実感している。
「本当に1、2メートル寄せるところで、Jリーグだったらサボっても、こういうレベルだとパスを差し込んでこられたので、いい経験になっています」
その結果、「やれないことはないので、あとは自分のメンタルで負けずにやっていきたい」という手応えを得た。あとはそれをピッチで出し切るだけ。
湘南では3バックの左からボールを持ち運んで攻撃に関わっていくプレーが光る。
「代表には自分よりうまい選手が前線にいるので、そういう人たちに預けてやってもらった方がいい場面もあるんですけど、本当に危ないところはちゃんとかわしながらセーフティにやっていきたい」
初代表だからただギラギラするだけはなく、大胆に運んで味方の攻撃力を引き出すことと、慎重にプレーするそのバランスをわきまえている。
オーストラリア戦はベンチ外。「数多くのお客さんに囲まれて、独特な雰囲気で、自分も体験してみたいなと思いましたし、すごくやりがいのある舞台だと思います」と昂った。
「まずは最終予選のインドネシア戦で自分がどういうプレーができるかが大事だと思うので、そこに集中したいと思います 」
その時をじっくりと待つ。