上写真=三戸舜介の軽やかなドリブルと重たいシュートは見ものだ(写真◎サッカーマガジン)
「自分もシュートを2本」
164センチの身長は、今回の代表メンバーの中で最も低い。しかし、いまやそれがデメリットだと感じる人はいないだろう。昨夏のパリ・オリンピックでの鮮烈な活躍がいまだに印象に残る三戸舜介が、ついにフル代表に登りつめた。
ただ、このタイミングでの代表入りは「まったくイメージしていなかったというか、現実的ではなかった」とやや意外でもあったと明かす。パリ五輪のあとは、スパルタ・ロッテルダムの一員としてオランダ1部のエールディビジで30試合出場5ゴール。ワイドのポジションで起用されることが増えたことが、選手としての幅をもたらした。
「向こうでは中でプレーすることはあまりなくなったんですけど、逆に外に張っての上下動のところは日本にいるときよりも増えました。代表ではウイングバックのポジションもあるので、そこで使われたときは向こうでやっている分、できることがあると思っています」
そのウイングバック、オーストラリア戦では右に平河悠が起用された。パリ五輪のチームメートで、同じく初代表。仲が良く、コミュニケーションも深い。
「仲のいい平河選手はオーストラリア戦でも特徴を出していましたし、自分以外にも海外に行って自分を出している選手がいるんだなというのを見るとさらに刺激をもらいます。自分も負けていられないなという気持ちになります」
その平河がシュートを2本打つと決めて試合に臨んだと聞くと、インドネシア戦でデビューを狙う三戸も「自分もシュートを2本打ちたいです」と笑った。
その平河とは逆に、持ち場は左サイド。三笘薫や中村敬斗がしのぎを削るポジションで、オーストラリア戦では俵積田晃太が代表初出場を果たしている。そこに挑んでいく形だ。
「俵積田選手がどんどん仕掛けていっていたプレーは自分もイメージしていましたし、あとはカットインしてのロングシュート。相手は引いてブロックを組んでいたけれどそういうシュートが少なかったので、そこはイメージを持っていました」
小柄だが、中長距離からのパワーショットはアルビレックス新潟時代から武器だった。「蹴る瞬間のインパクトを意識している」という一撃は、細かいタッチの高速ドリブルとともに代名詞になっている。
「引いた相手に対するシュート力や裏抜けが自分の特徴でもあると思うので、ドリブルは三笘さんやタワラも特徴があって、自分もドリブルは得意だけどそのほかにもシュートの部分は出していきたい」
打ち気などまるで見せずにリラックスした状態から、一瞬でボールにパワーを伝える強烈なシュートが、インドネシア戦で炸裂するか。