サッカー日本代表は5日、アジア最終予選第9節でオーストラリア代表と対戦する(20時10分開始/@パーススタジアム)。昨年10月の対戦は1-1のドローに終わったが、あれから約半年でオーストラリア代表はどのような変化を遂げているのか? 北中米ワールドカップの自動出場権獲得を目指す対戦相手オーストラリア代表の現状に迫る。

上写真=パーススタジアムで前日練習を行ったオーストラリア代表(写真◎Getty Images)

3位サウジと勝ち点3差で、日本には負けられない!

 すでに北中米W杯出場を決めている日本代表にとっては新戦力発掘の場だが、今予選最後のホームゲームに臨むオーストラリア代表にとっては極めて重要な一戦だ。

 アジア最終予選を2試合残した段階で、3位のサウジアラビア代表とは3ポイント差。2位のオーストラリア代表はまだW杯出場権を手にすることができていない。それでも今回の日本戦で勝利し、他会場でサウジアラビア代表がバーレーン代表と引き分けるか敗れれば、最終節を前にW杯本大会出場を決めることができる。

 だが、日本代表に敗れる、もしくは引き分けた場合は最終節に望みをつなぐことしかできない。しかも、オーストラリア代表が最終節で対戦するのはサウジアラビア代表だ。アウェーの地で中東屈指の強豪とW杯自動出場権を争わなければならない状況は、是が非でも避けたいだろう。

 圧倒的な成績を残す相手との戦いが厳しいものになるのは誰もが理解している。一方で楽観的な見方があるのも事実だ。今回の日本代表は三笘薫や守田英正、板倉滉、上田綺世、堂安律といった多くの中心選手たちを招集外とし、3月シリーズからチームの約半分を入れ替えている。代わりにこれまでチャンスに恵まれていなかった若手や初招集の国内組などを大量に選出し、A代表キャップが10試合を超えている選手は7人しか帯同していない。

 こうした状況を見たジョン・デューデン氏は英『ガーディアン』紙に寄稿した記事で「馴染みのない選手の多い相手との試合に備えるのは容易ではないかもしれないが、勝ち点獲得に必死な最強の日本代表と対戦するよりはマシだろう」と書いた。英『BBC』や米『ニューヨーク・タイムズ』など世界各国のメディアでアジアサッカーに関する原稿を執筆するスペシャリストと似た見方を示すメディアは少なくない。

 ただ、オーストラリア代表もベストメンバーを揃えられたとは言い難い。チームに不可欠な主力選手たちに負傷が相次ぎ、“飛車角落ち”状態で日本代表との大一番に挑まなければならないのである。

 昨年末にアキレス腱を断裂したハリー・サウター(シェフィールド・ユナイテッド)を筆頭に、崩しの鍵を握るはずだったクレイグ・グッドウィン(アル・ワフダ)、昨年10月の日本代表戦に左ウィングバックで先発していたジョーダン・ボスなどが負傷で6月シリーズを欠場することになった。その中でも最も大きな痛手は、チームキャプテンを務めるジャクソン・アーヴァイン(ザンクトパウリ)の不在だろう。

 代わりのリーダーとなりうる選手も不運に見舞われた。「彼は大事な試合で、まさに重要な場面で必要な経験とクオリティを提供してくれる」と、トニー・ポポヴィッチ監督が信頼を寄せ、1年ぶりに招集される見込みだったベテランのマシュー・レッキー(メルボルン・シティFC)も直前に負傷してしまったのである。他にもニシャン・ヴェルピライ(メルボルン・ヴィクトリー)やネストリ・イランクンダ(グラスホッパー)など、とりわけ前線のアタッカーたちに離脱者が多い。


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