第2次森保ジャパンの初陣となったキリンチャレンジカップのウルグアイ戦で、22歳の菅原由勢(AZ)が日本代表で初先発した。試合前日に「自分にとって最大のチャンス」と話していた右サイドバックは、6万人以上が詰めかけた国立競技場のピッチで何を感じたのか。

上写真=右サイドバックとして初先発を果たした菅原由勢(写真◎福地和男)

悔しい思いを、爆発させようと

胸に日の丸を付けて入場し、ピッチからスタンドを見上げると、熱狂する日本代表のファン・サポーターでぎっしり埋まっていた。A代表で初めて開始のホイッスルを待つ時間は、格別だった。菅原はしみじみ振り返る。

「満員のスタジアムで国歌を歌えるのは感動的でした」

昨年6月に代表招集さながらもケガで辞退。カタールワールドカップのメンバー争いにも加われなかった過去を忘れたことはない。待ちに待った先発デビューである。少なからず緊張はしたものの、それ以上に気持ちが高ぶった。

「やる気に満ちあふれていました。悔しい思いをしてきた分、このピッチで爆発させようと」

 ポジションは右サイドバック。後方からのビルドアップでは、持ち味を発揮できた部分もある。前半はワンタッチで鋭いグラウンダーのスルーパスを送り、スペースに走り込む浅野拓磨に合わせて好機を演出。プレッシャーをかけられても、臆することなかった。落ち着いてビルドアップ。1点を追う75分には、同点ゴールにつながる縦パスを供給した。

「僕がボールを持って顔を上げる瞬間に(伊東純也が)走り出すのは分かっていました。相手の左サイドバックとヨーイドンで競争すれば、純也君のほうが速いと思いましたから、パスの質も考えました。あの場面は意図したところへボールを送れたのかなと」

 オン・ザ・ボールでは持ち味を生かせたものの、オフ・ザ・ボールでは試行錯誤が続いた。所属クラブのAZと同じ右サイドバックを務めたが、ビルドアップ時のポジショニングは違うという。日本代表では慣れない立ち位置にトライ。右サイドハーフの堂安律がタッチライン沿いに張り出すと、中央のスペースへ。第2次森保ジャパンが取り組む、新たな形の一つである。

「初めての経験だったので、課題が多く出たと思います。映像を見返して、これからディスカッションしたい。試合に出る選手のタイプによって、僕の役割も変わってくると思うので。ポジショニングについては、もっと完璧を追求していきたい」

 今後、ポジション争いが激化しそうな右サイドバック。チームの求めるポジショニングに適応できるかどうかは一つのポイントになりそう。日本代表定着を目指す菅原も十分に理解していた。

取材◎杉園昌之


This article is a sponsored article by
''.