JFAアカデミー福島出身の小池龍太(横浜FM)が中国戦で代表デビューを飾った。JFLからキャリアをスタートさせ、ついに代表の舞台に立ったサイドバックは試合後、これまで積み上げてきたものをピッチで表現し、これから積み上げるべきものを自覚する機会になったと振り返った。

上写真=右サイドバックで先発し、代表デビューを飾った小池龍太(写真◎JMPA早浪章弘)

もっと成長できるとも個人的には思っています

 スコアレスドローに終わった中国戦で、自らの特長をピッチで表現した一人だろう。右サイドバックとして先発した小池龍太は、縦関係を組んだ宮市亮を後方からサポートしつつ、時に応じて攻め上がり、攻撃に厚みを加えた。

「日本代表でデビューできたことをすごくうれしく思いますし、やはり日の丸を背負って初めてプレーをしたので、国歌を聞いたとき、すごく気持ちが引き締まりましたし、これまでのストーリーがあるので、思い切って(自分を)表現しようと思った90分でした」

 現在、26歳。この日、初キャップを手にし、JFAアカデミー福島出身者として初めて代表デビューを飾った選手となったが、これまでの歩みは決して順風満帆ではなかった。プロ志望だったものの、アカデミーを卒業する際にJクラブは声がかからず、当時、JFLを戦っていたレノファ山口でキャリアを始めることになる。

 そこから一段ずつ階段をのぼり、2016年にJ1の柏レイソルにステップアップに成功。2019年にはベルギーのロケレンに移籍を果たしたが、クラブが破産宣告を受けて、翌20年に日本に帰国する。海外でキャリアを重ねるはずが、予期せぬ形でJリーグに復帰した。

 そんな紆余曲折の「ストーリー」を、小池はこの試合で表現するつもりだった。結果的には分厚く守る中国を攻めあぐね、課題を感じることにもなったが、「個人的にはすごくポジティブに90分戦ったつもりですし、自分の100パーセントをぶつけました」と試合を振り返った。

「プレーひとつひとつの選択やクオリティーは上げていかないといけないですけど、後悔はないです。自分がプレーした内容にも納得していますし、もっと成長できるとも個人的には思っています」

 とくに前半は小池が宮市と組んだ右サイドからの攻めが日本の攻め筋になっていた。所属する横浜FMで培った『呼吸』をピッチで示したと言える。

 フル出場したため、中2日で迎える27日の韓国戦で出場機会があるかどうかは分からないが、「大会前から優勝が目標。3連勝して優勝という目標は断たれましたけど、チームとしては変わることなく勝てば優勝ということに切り替えて向かっています。今日は相手を上回っても、勝てなかった。そこを改善してしっかりとラストの試合で勝ちたい」と小池。自身がデビューを飾った大会としてだけではなく、日本が優勝した大会にしたいと語った。


This article is a sponsored article by
''.