日本代表は19日にE-1選手権の香港戦に臨み、6-0で勝利を飾った。岩崎悠人は67分から途中出場。プレー時間は短かったものの、本人にとっては代表における重要な一歩となった。残り試合でも持ち味の運動量や縦への推進力を出すと意気込んでいる。

上写真=香港戦で代表デビューを飾った岩崎悠人(写真◎JMPA小山真司)

10番を背負う機会はそうない。楽しみたい

「苦しい時期も自分のやるべきことをやってきてよかった」

 アンダー世代では代表の常連だった岩崎だが、東京五輪では選出されず、悔しさを味わった。その理由の一つとして、所属クラブで出番を勝ち取れなかったことが挙げられるだろう。

 京都に加入した2017シーズンは35試合に出場。2年目も33試合出場と活躍したが、札幌の移籍した19年からキャリアが暗転した。同年はわずか8試合に出場に留まり、そのすべてが途中出場だった。翌20年には湘南に移り、16試合(先発7試合)に出場、21年には千葉で16試合(先発7試合)でピッチに立った。だがいずれもゴールはなく、満足いく結果を残せなかった。

 そして昨季途中から鳥栖でプレーし始めた。シーズン途中の加入だったこともあり、出場数は13試合(先発5試合)と多くはなかったが、J1初ゴールを飾り、復調の兆しを見せ始めていた。迎えた2022シーズン。岩崎はここまで20試合に先発し、1得点1アシストの成績を残す。左ウイングバックとして攻守に働きながら、サイドから仕掛ける回数も増え、相手の脅威となる『怖さ』が戻りつつある印象だ。

 今回の代表招集は、リーグ戦で負傷した武藤嘉紀が辞退したことで巡ってきたチャンスで、本人は「びっくりしたというのが一番大きい」と、追加招集の知らせが届いたときのことを振り返る。19日の香港戦では、64分から西村拓真に代わって出場。早速代表デビューを果たし、「すごく緊張しましたが、試合に出られたことはすごくうれしく思います」と大きな一歩を目を刻んだ喜びを口にした。

 むろん、それは第一歩であって、アンダー代表でともに戦っていた冨安健洋、板倉滉、中山雄太、堂安律、久保建英らA代表の常連たちに追いつくべく、大きな歩幅で二歩目三歩目を刻めるように努力するつもりでいる。急きょの招集で今回は武藤に代わって背番号10を背負う。

「知ったときは、なんかすごい嫌やって正直思っちゃったんすけど、でもこんな機会なかなかないですし、本当に一生にあるかないかっていうところで、こういう状況、環境を楽しみたいなと思っています」

 岩崎悠人は今、また新しいフェーズを迎えている。かつての代表仲間に後れを取った分は、E-1選手権という舞台から取り返していく。


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