町野修斗が日本代表デビューの記念すべき試合で、いきなり2ゴールと結果を残してみせた。7月19日の『EAFF E-1サッカー選手権2022決勝大会』初戦で、日本は香港から大量6ゴール。町野がJリーグでの好調を持ち込んで躍動し、「多彩さが武器」と胸を張った。

上写真=町野修斗はストライカーらしく、ボックスの中で確かな仕事をしてみせた(写真◎小山真司)

■2022年7月19日 E-1選手権 第1戦(@カシマ/4,980人)
日本 6-0 香港
得点者:(日)相馬勇紀2、町野修斗2、西村拓真2

「どれだけ時間を作れるか」

 日本代表のデビュー戦で2ゴール。「緊張はめちゃくちゃありました」と明かしたが、その言葉がウソのように鮮やかに決めてみせた。

 まずは20分、右サイドバックの山根視来がDFをぎりぎりで越える高速クロスを入れてきた。頭を突き出してコースを変えると、ワンバウンドしてゴール左に飛び込む代表初得点になった。

「点を決めてやろうと入って2点決めてよかったです。(1点目は)最高のボールが来ました」

 ちょうどセンターバックの背中を取って準備していたが、高さも速さも申し分ないクロスだった。

「相手の背後にいて、ボールに対してアタックしようかなと思っていたら、かなり良いボールが来たのでヘディングしやすかったです」

 2点目は、このゲームの締めくくりのチーム6点目。今度は水沼宏太がニアにスピードボールを蹴り込んで、GKがこぼしたボールに詰めて左足できっちりと押し込んだ。

「(西村)拓真くんがニアでつぶれてくれたおかげです」

 水沼のクロスに対してニアに突っ込んだ西村に感謝だ。横浜F・マリノスでプレーする2人のコンビネーションで生まれたチャンスから、横浜FMでプロキャリアを始めながら他のクラブを渡り歩き、湘南ベルマーレで今季10ゴールを決めて存在感を示す男が決めた。

「良いデビューというか、良い思い出にはなったんですけど、まだ1試合終わっただけ。すぐに切り替えて、次の中国戦に向けて準備していきたいと思います」

 初めての代表で、この香港戦に向けてはチームとしてトレーニングする時間はほとんどなかった。だがそれを逆手に取って、割り切った。

「ミスとか、連係面で合わないのは試合前から分かっていたので、その後にどういう対応ができるか、切り替えができるかを、すごく意識して入りました。課題としては、もう少し背後への動きを増やしたいと思いました」

 相手とのレベルの差が歴然だったから、試合の中で少しずつ合わせる戦い方もできた。「今日は西村くんがかなり意識して、ボールが渡ったときに近くのポジションで関わりを持ってくれたので、ボランチの2人もそうですが、意識してくれてやりやすかったです」とみんなで持ち味を出し合う気遣いを表現できた。これも確かな「チーム力」である。

 今回のE-1選手権の目標を「3得点」と掲げていた。1試合1得点、3試合で3ゴール、という計算だが、さっそく2点を決めた。まずはもう1点だが、これから戦う中国、韓国はもちろん、この日の香港よりもはるかにタフな相手だ。

「孤立してしまう場面も多少はあると思うので、周りの上がりを待つ時間を作れるか。中国、韓国はもっと厳しくくると思うので、そこでどれだけ時間を作れるかが大切だと思います」

 残り2試合のイメージもできている。「自分の武器はボールを収めるところだったり、背後へのランニングだったり、フィニッシュワークの多さだったり、多彩さが武器だと思っている」とゴールに向かうバリエーションを披露するつもりだ。そして改めて、決意表明。

「チャンスがあるなら、絶対に決めてやると思ってます」

取材◎平澤大輔 写真◎小山真司


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