日本代表がカタール・ワールドカップの準備を進める6月シリーズも、残すところ6月14日のチュニジア戦のみとなった。田中碧はアンカーで先発することが予想されているが、5カ月後の本大会へ向けたテストとなる4試合目で、どんなことをピッチで表現するだろうか。

上写真=田中碧はここまで3試合すべてに出場。次はアンカーでの先発か(写真◎JMPA早浪章弘)

「チームをいい方向に導けるのが一番大事」

 6月シリーズもキリンカップの決勝となるチュニジア戦を残すのみとなった。田中碧はここまで3試合はすべてピッチに立っていて、2戦目のブラジル戦では先発している。直近のガーナ戦は69分から遠藤航に代わって登場したが、そこでプレーしたアンカーのポジションで、続くチュニジア戦も試されそうだ。

 4-3-3システムにしてからアンカーは遠藤が務めているが、ワールドカップ本大会で起こりうる不測の事態を想定して準備をしなければならない。守田英正が負傷で離脱したこともあって、出場すれば、田中がその重要なテストに臨むことになる。

 でも、田中は遠藤ではない。

「どのポジションでやっても、人が変われば変わります。どうしてもずっと出ている選手に正解を求めがちですけど、前回のアンカーで言えば守備で壁になることも役割の一つですし、でも自分ができることをやることも必要です。だから、しっかりボールを触ってゲームをコントロールすることを出せればと思っています。

 足りないこともわかっていますし、いろいろな選手から学ぶことも多いですけど、与えられたポジションで自分ができることを表現して、チームをいい方向に導けるのが一番大事なので、何かこだわるというよりは自分がやってきたことを出せればいいと思っています」

 遠藤と同じプレーはできない。だが、アンカーの役割を「碧色」に染めることはできる。その思いが「しっかりボールを触って〜」の言葉に反映されている。

 多くの選手が改めて世界の基準として実感したのが、今回の2戦目のブラジル戦。田中が感じたことの一つは、ミドルレンジからシュートを狙う必要性だった。

「ブラジルのような強豪との試合でチャンスを作るのは簡単ではないと思います。でも、そこに行くまでの段階で、セットプレーもそうだしバイタルエリアでミドルシュートを打てるタイミングやシチュエーションは作れると思います。そこから先にいくのはさらに高度なものを求められるけれど、そこまでいけるのであれば、ミドルシュートで決めて流れを変えることができる」

 もちろん、ペナルティーエリアに進入できることが理想だが、そうしなくてもゴールは奪える。

「ブラジルの選手もミドルシュートを打ってきていましたし、そこでゴールをとらえられる力をつけなければいけない。もちろん、ゴール前に入ってこぼれ球を打ったりクロスに入っていくことも大事だけれど、もう一つ後ろから決める力はつけないといけない」

 インサイドハーフとして途中から出場したパラグアイ戦の4点目は、それに近いだろう。85分、ペナルティーアーク付近から右足で迷いなくゴール左へと送り込んだ中距離ショット。今度はもう一列後ろのアンカーの位置から、さらなるパワーショットを狙っていく。


This article is a sponsored article by
''.