日本代表の左サイドバックが一気にホットになった。ワールドカップ最終予選では長友佑都と中山雄太がプレーし、そこにキリンチャレンジカップ初戦のパラグアイ戦で伊藤洋輝が強烈なインパクトを残した。中山はポジションを譲らないために、変わらぬチャレンジ精神で臨んでいく。

上写真=中山雄太が狙う左サイドバックのポジション争いが激しくなってきた(写真◎JMPA江本秀幸)

「現実的に地に足をつけて」

 左サイドバックのポジション争いが、いま風雲急を告げている。

 6月2日のパラグアイ戦、前半は代表デビューの伊藤洋輝が任されて、出色の出来。後半からは中山雄太がプレーして、伊藤はセンターバックの左に回った。長く日本代表を支えてきた長友佑都は、若きライバルの戦いをベンチから見守った。

 ワールドカップ最終予選では、長友が先発して中山が引き継ぐというパターンが7試合。予選突破が決まったあとの最後のベトナム戦は中山がフル出場している。その2人の競争が話題になったところで、ドイツで力をつけてきた伊藤が強烈に名乗りを挙げてきた。

「学ぶ部分はたくさんあると思います。どの選手でもいいところを盗もうと思っているので、しっかりいただいて成長につなげたいと思います」

 中山はまったく変わらないのだ。

 そのパラグアイ戦では「数字を残せるシーンはあったので、(残せなかった)自分の出来は良くない。もっとできた」というのが中山の中山評。ビッグシーンは64分だろう。左サイドからペナルティーエリアに入っていって鎌田大地からのパスを引き出すと、相手のDFラインとGKの間を通り抜けるラストパスをワンタッチで送った。その先には前田大然。しかしヘディングシュートは右にそれていった。

「チャレンジしていくことは、エラーもあるけれどいつも心がけています。どんな相手にもその精神を忘れずいたい」

 ライバルが長友であろうと伊藤であろうと、次の相手が世界屈指のブラジルであろうと、チャレンジなのだ。「単純に成長して、その先に掲げている目標達成があるので、現実的に地に足をつけて、何が必要で何ができて、どこを伸ばさなければいけないのかを日々整理してクリアにしていく作業をしている感覚」で過ごしている。

 だから、課題はいつでも「全部と思っていただければ」なのである。

「全力で勝利することは変わらない」とブラジル戦を見据えるが、「チャレンジする部分は、親善試合だからこそ増やしてもいいのかな」とも。そこから学んで整理して、自分の糧にすることも変わらず続けていく。


This article is a sponsored article by
''.