日本代表の守田英正が26日、オンラインで取材に応じた。代表ではインサイドハーフとして存在感を示しているが「一番やってきたポジション」という話すアンカーとしての持ち味をベトナム戦で見せたいと語った。

上写真=オーストラリアからの帰国し、26日にオンラインで取材に応じた守田英正(写真◎スクリーンショット)

普段見せられない一面を見せられれば

 3戦を終えて1勝2敗と負けが先行する中で迎えた昨年10月のオーストラリア戦は、日本にとって大きな転機になった。その試合で4-2-3-1から4-3-3にシステムを変更。守田英正と田中碧が中盤の3センターハーフで同時に起用された。結果、ビルドアップが安定し、ボール奪取後に攻撃が詰まるケースは減少。この変更と起用が当たり、日本の連勝がスタートしたのだった。

「(昨年の試合は)やっぱり自分が(最終予選で)一発目の試合ということで普段以上の力が入っていたのは否めないと思いますが、ボールの動かし方が、(今回の方が)はるかに良くなっている。細かいところを見ればパスミスや受け手と出し手の意思が合わなくて、ちょっとしたズレが前半から見られたんですけど、そのぶん普段の試合以上にチャンスは作れましたし、厚みのある攻撃ができたり、面白い試合内容になったんじゃないかなと思います」

 守田は昨年のオーストラリア戦と今回の試合を比較し、違いを語った。実際、3センターハーフの機能性は格段に上がった。遠藤航がボール奪取のためにアンカーの定位置を空ければ、守田、田中がその場所に入り、その動きを確認して今度は遠藤はインサイドハーフに『戻った』。その補完関係がボールを循環させていた。そしてこれまでよりも守田は下がりすぎずに前線に絡み、必要に応じてビルドアップに加わった。そのバランスの取り方は絶妙で、時に山根視来の攻め上がりを促す位置取りで、チームの攻撃に厚みを加えた。前回のオーストラリア戦では田中との連動が目立っていたが、今回は遠藤も加えた3センターハーフの連動で相手を上回った。「はるかに良くなった」という実感を得たのがよく分かる。

 ただ、守田自身にはもっともっとできるとの感触もあるようだ。これまで代表で見せてきたものとは別の持ち味を発揮できるという思いもある。コンディション調整のため、遠藤が離脱した29日のべトナム戦への意気込みを問われて、守田は言った。

「僕自身、一番慣れているというか、やってきたポジションはアンカー。ポジショニングであったり、ビルドアップの部分であったり、航くんがずっと出ていましたが、自分もそこはやれるよということを個人として見せられるチャンスかなと感じています。やっぱり航くんは精神的な支柱ですし、チームを引っ張る力があるので、どうしてもそこに頼ってしまう部分がある。でも、今回いないことで、言い方は悪いですけどチャンスだと思っています。自分のそういう普段見せられない一面を見せられればと思っています」

 遠藤とはまた別タイプのアンカー像を表現したいということだろう。守田が得意とするのは相手の急所を突くダイレクトパスや展開を変えるパス。狭いところを鋭く通す精度の高いパスもその持ち味だ。受け手になることも多いインサイドハーフよりも、アンカーで生きる持ち味かもしれない。本人もビルドアップ面には自信を持っている。

 そして守備面の自身と遠藤の特徴の違いについては、こう説明した。「航くんの奪いにいく力だったり、前への推進力を考えれば8番(インサイドハーフ)でもやれると思います。むしろそっちの方が守備の特徴的に生きるんじゃないかなと思っています。自分は人にも強くいけますし、むしろカバーの方が得意としていると思っているので、よりアンカーの方がその強みは出るんじゃないかなと。なので、お互いの強みを考えると、どちらで出ても生きるんじゃないかなと思います。お互いが補完できる。生かしたい方を生かせるシチュエーションを作っていければと思います」。相手のタイプや状況に応じて2人が位置と役割を変えることができれば、ますます日本の中盤は盤石になる。例えば相手のハイプレスが強力なら、ワンタッチでさばき、いなせる守田をアンカーに起用するのも一つの手だろう。

 代表でインサイドハーフを務めるようになった当初、守田はアンカーだったときの自分が、どこにいてほしかったかを考え、プレーしていたという。しかし今はインサイドハーフとしてどうプレーすべきかを考えられるようになってきたと話す。プレーの幅が広がったということだろう。守田がアンカーとインサイドハーフの両方で力を出せれば、チームにとっても選択肢が増え、大きなプラスとなる。

「出場が決まりましたけど、ここからがサバイバルというか、スタートだと思うので、自分も頑張りたい」

 W杯出場決定は、もちろん通過点。個人としてもユニットとしても、チームとしてもさらなる向上を目指して、守田は前進していくと誓った。


This article is a sponsored article by
''.