3月24日のオーストラリア戦で勝利を収めれば、日本はアジア最終予選のグループBで2位内が確定。7大会連続7回目のワールドカップ出場が決まる。まさに運命の一戦を迎えるが、ここではいま一度、日本のW杯出場条件を整理してみたい。勝てば文句なし、引き分けでも突破濃厚だが、負ければ一転、難しい状況となる。

上写真=オーストラリア戦に向けてトレーニングする日本代表の選手たち(写真◎Getty Images)

引き分け以上なら突破濃厚

 日本代表は1月に再開されたカタール・ワールドカップアジア最終予選で、中国戦、サウジアラビア戦に連勝して勝ち点6を積み上げた。望み通りの結果を手にし、首位サウジアラビアに勝ち点1差の2位につける。一方、3位のオーストラリアがオマーンと引き分けたために、その差は3ポイントに広がった。現在のグループBの順位表は以下の通りだ。

◆順位表(勝ち点/勝敗・得失点)
1位 サウジアラビア(勝ち点19/6勝1分け1敗・得失点5)
2位 日本(勝ち点18/6勝2敗・得失点6)
3位 オーストラリア(勝ち点15/4勝3分け1敗・得失点9)
4位 オマーン(勝ち点8/2勝2分け4敗・得失点-2)
5位 中国(勝ち点5/1勝2分け5敗・得失点-8)
6位 ベトナム(勝ち点3/1勝7敗・得失点-1)

そして、突破の可能性のある3チームの日程は以下の通り。

◆3チームのスケジュール
・1位:サウジアラビア→24日:中国戦(アウェー)、29日:オーストラリア戦(ホーム)
・2位:日本→24日:オーストラリア戦(アウェー)、29日:ベトナム戦(ホーム)
・3位:オーストラリア→24日:日本戦(ホーム)、29日:サウジアラビア戦(アウェー)

 予選は残り2試合。日本は3月24日にオーストラリア(アウェー)戦、29日にベトナム(ホーム)と対戦するが、次節の3位オーストラリア戦に勝てば文句なし、引き分けでも勝ち点3差のまま最終節を迎えることになるため、W杯出場権獲得に優位な状況だ。

 日本のW杯出場の条件は下記の通りとなる。

◆日本がオーストラリアに勝った場合
・日本のW杯出場が決定

◆日本がオーストラリアと引き分けた場合
・最終節のベトナム戦で引き分け以上ならW杯出場が決定
・最終節のベトナム戦で敗戦→サウジアラビア対オーストラリアの結果次第
※24日の中国対サウジアラビアでサウジアラビアが敗戦の場合は得失点差で日本が最終節を首位で迎える可能性もあり)

◆日本がオーストラリアに敗れた場合
・自力での出場は無くなり、最終節のベトナム戦の結果とサウジアラビア対オーストラリア戦の結果次第

 仮にオーストラリア戦で引き分けた場合、現在勝ち点18の日本は19となり、オーストラリアも勝ち点1を加えて16になる。その差は3ポイントのまま変わらない。つまり、その場でW杯出場は決定しないものの、日本は有利な状態で最終節のベトナム戦に向かうことになる。最終節のベトナム戦の結果次第で自力で突破可能ということだ。また、24日の中国対サウジアラビアでサウジアラビアが敗戦の場合は得失点差で日本が首位となり、最終節を迎える可能性もある。

 一方で日本がオーストラリアに負けた場合は苦しい状況に追い込まれる。日本の勝ち点は18のままで、オーストラリアに勝ち点で並ばれてしまうからだ(15→18)。得失点差で日本は3位に転落。現在勝ち点19のサウジアラビアが中国戦に勝って最終節を迎える状況なら(勝ち点22)、日本は自力でW杯出場を決めることができない。2位以内に入るためには、日本がベトナム戦でオーストラリアとの得失点差を逆転するような大量得点をあげて勝利するしかない。

相手も参加辞退者が続出

 最終結果で、オーストラリアが2位となり、日本が3位になった場合、日本はプレーオフに回る。アジア最終予選のグループAの3位と大陸間プレーオフ出場をかけて戦い、その後に南米予選5位と本大会出場をかけて中立地(いずれもカタール)で一発勝負の試合を戦う。

 日本は今回の最終予選において、連戦『初戦』で苦しい戦いを強いられてきた。2敗を喫したオマーン戦(9月)、サウジアラビア戦(10月)はいずれも連戦の初戦。海外組が多いため、移動の問題とコンディション調整の問題が大きく、集合して即試合を戦わねばならない初戦で力を発揮できなかった面がある。W杯出場をかけた大一番となる3月24日のオーストラリア戦も連戦の初戦。今回も2日前に到着した選手たちがいる。

 2月1日のサウジアラビア戦翌日の囲み取材の際に森保一監督はオーストラリアまでの移動が「日本からブラジルに行くくらいの距離があり、移動が厳しい」と説明していた。少しでもいい状態で試合に臨めるように可能な限りの準備をしたいと話し、これまで培ってきた経験をもとに最善の準備をするとも語っていた。

 日本は過去、W杯予選において敵地で戦ったオーストラリア戦に勝ったことはない(2分け1敗)。一方で前回、前々回の予選ではホームのオーストラリア戦で本大会行きを決めている。験のいい相手とも言えるが、指揮官は「データが勝たせてくれるわけではない」とネガティブな事実も、ポジティブな歴史も過去は過去と言い切った。

 大迫勇也、酒井宏樹、前田大然がケガや体調不良で参加辞退となった日本。一方でオーストラリアもムーイ、レッキー、アーバイン、ロギッチら主力が不在だ。まさにこれまで培ってきたチームの力をぶつけ合う総力戦になりそうだ。

 予選未勝利の敵地で勝ち切ってW杯出場を決め、日本は新たな歴史を創ることができるか。決戦は3月24日、日本時間午後6時10分にキックオフされる。


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