日本代表は24日にアジア最終予選のオーストラリア戦に臨む。勝てば、7大会連続7回目のワールドカップ出場が決まる重要な一戦だ。オンライン取材に応じた中山雄太は大一番を前に「心身ともに充実している」と語った。

上写真=オーストラリア戦に向けてトレーニングする中山雄太(写真◎JFA)

対面するボイル対策もイメージ済み

 これまでの活動で中山は、長友佑都に代わって途中出場するケースが多かった。今回も同様のパターンかもしれないが、チーム事情からこれまで以上に先発起用の可能性が高まっているのではないか。理由の一つは酒井宏樹の不参加だ。空中戦に強い酒井の不在により最終ラインの『高さ』が一つ失われた。オーストラリアは長身選手が多く、守備時のセットプレーを考えると、長友よりも上背のある中山の先発起用はあり得るだろう。

 また今季、長友はFC東京で右サイドバックとしてプレーしており、今回の活動で右サイドバックを本職とするのが山根視来だけであることを考えると、右でもプレーできる長友は不測の事態に備えて残しておきたいところ。重要な一戦に長友の経験を生かしたい面も当然あるが、ベンチワークを含めて考慮すると、中山が先発するケースは十分に考えられる。取材時に先発の可能性について聞かれた中山は「今までは途中出場が多いですけど、これまでも話している通り、もちろんスタメンを狙っていくのは大前提。自分の役割としてはビルドアップの部分、課題としては攻撃参加の部分があると思っています」と、自らの役割にフォーカスした。

 所属チーム(ズヴォレ)でも意識的に攻撃参加についてトレーニングしているという中山だが、現在、自チームでは3バックの中央を務める。代表とポジションが異なるという点では「佑都くんと変わらない」と説明。ただ出番が来れば、「守備の安定感をチームにもたらさないといけないし、それに加えて誰と組んでも、今回は(三笘)薫が呼ばれていますけど、自分の周りにいる選手をサポートしつつ、自分の力を発揮して勝利に貢献できればと思います」とチームのために全力を尽くす覚悟を口にした。

 左サイドバックとして出場すれば、相手の右サイドハーフ、マーティン・ボイルと対峙することが予想される。鋭い縦への突破が持ち味のアタッカーだ。今回、オーストラリアは左のマシュー・レッキーが不在であり、ボイルが攻撃キーマンになりそうだ。中山は「かなりアジリティーのある選手というイメージ。ホームで戦ったときは佑都くんがマッチアップしていて、佑都くんも相当アジリティーのある選手ですけど、同じくらいそれがある選手だなと。裏に走る能力が長けている印象だったので、ボールが入る前の駆け引きが重要になってくると思います」と語り、対処法をしっかりイメージしていた。

「相手はホームでやったときとは別物のチームというぐらいだと思います。今回は地の利を生かすでしょうし、彼ら自身も勝つしかない状況で、別のチームとして僕らに向かってくると思う。色んな可能性を含めてしっかり準備していきたい」

 オーストラリア戦の重要性は理解しながらも、大一番に向けて思いを語るその表情は終始、リラックスしていた。それは「心身ともに充実している」からかもしれない。「疲労感はないし、移動疲れもない。個人的に早くサッカーがしたい」。自ら「夢の舞台」と語るW杯の出場権獲得へ、中山はしっかり準備を整えている。


This article is a sponsored article by
''.