川崎フロンターレのキャプテン、谷口彰悟がワールドカップ予選突破に意欲を燃やす。1月の中国戦、2月のサウジアラビア戦と、最終予選の2試合で揺るぎない戦力としてのパフォーマンスを見せた。高まる存在感で、予選突破の瞬間をピッチで迎えるつもりだ。

上写真=谷口彰悟は川崎Fから海外移籍を果たした仲間たちを「頼もしくなった」と見つめる(写真◎スクリーンショット)

「きちんとしたパフォーマンスができた」

 1月の中国戦、2月のサウジアラビア戦をともに2-0で下したホームの連戦で、非常に重要だったのは、失点を一つも許さなかったことではないだろうか。

 この試合は吉田麻也と冨安健洋が負傷で選外に。レギュラーセンターバックを2人とも欠くというスクランブルだったが、その不在を補って余りあるパフォーマンスを見せた一人が、谷口彰悟だった。

 この連戦の前はわずか2キャップ。しかし、川崎フロンターレのキャプテンとしてJ1連覇を支えた実績もある。無失点を続けた180分のハイパフォーマンスが、また一つ大きな存在へと押し上げた。

「僕はなかなか代表に呼ばれずに、久々に呼ばれたのは昨年6月でした。そこまでは何かが足りない、成長しなければいけない部分があると考えながら、どうやったら呼ばれるかを考えていました」

 日本では最高峰のクラブで堅陣を支えながら、日本代表にはなかなか縁がなかった。その意味では、世界を基準に考えれば、いわば「下積み時代」でもある。

「昨年、久々に呼んでもらえて、2次予選と親善試合のセルビア戦に出ましたけど、代表で海外の国と戦うことの難しさや感覚の違いをまた改めて久々に感じることができて、よりレベルや基準が明確になりました」

 実際にピッチの上で得た肌感覚が、自らを一歩先へと押し進める道標になった。

「最終予選が始まって呼んでもらって、徐々に自分の中で基準やレベルを感じながら、そこを目指して自チームでレベルの高い意識で取り組むことを継続してきたつもりです」

 それが、花開いたというわけだ。

「そういう準備をしたからこそ、1月、2月の最終予選で出番が回ってきて、準備した自信があったのでバタつかずにきちんとしたパフォーマンスができたと思います」

 ワールドカップ最終予選での連続無失点は誇っていい。もちろん、全員で勝ち得た完封勝利だが、そこからおよそ2カ月の間、さらに自らを高めていく意欲は増すばかりだった。

「その2試合を経験して、最終予選の厳しさを体感したことによって、Jリーグが始まっても集中して取り組めています。予選最後の2試合への気持ちはあったので、毎日を代表と結びつけながら過ごせている充実感があります」

 吉田や冨安からは「水も漏らさない作業」のレベルの高さを目の前で感じてきたという。それはまさに、川崎Fで口癖のように自らに、仲間に言い聞かせていることだ。やるべきことは変わらない。だから、中国戦やサウジアラビア戦でチャンスと見るや持ち運び、周囲とリズミカルにパスを受け渡し、すかさず裏のスペースにチャンスボールを送り込んだ攻撃への関与も、高く評価されたが、つまりはいつもどおりのプレーなのだった。

 ワールドカップ予選突破がかかったラスト2試合にも、高い基準を自らに課して過ごしてきた毎日と同じようにプレーするつもりだ。今回は吉田は帰ってきたが、冨安は再び不在。ワールドカップ出場を決めるその瞬間に、谷口がピッチに立っていてもおかしくはない。


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