日本代表は27日、FIFAワールドカップ・アジア最終予選の第7節、中国戦に臨んだ。吉田麻也、冨安健洋ら主軸がケガで不在だったものの、終始優位にゲームを進めて2-0で勝利。最終予選4連勝を飾り、グループBの2位をキープした。

上写真=PKを冷静に決めて先制ゴールをスコアした大迫勇也(写真◎小山真司)

■2022年1月27日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選・B組第7節(@埼玉スタジアム/観衆11,753人)
日本 2-0 中国
得点:(日)大迫勇也、伊東純也

画像: 交代:(日)58分:長友→20中山雄太、58分:大迫→9前田大然、73分:遠藤→11番久保建英 85分:南野→8原口元気、伊東→21堂安律 (中)56分:8番→17 ウェイ・シーハオ、56分:9番→11ア・ラン、64分:2番→21ダイ・ウェイチュン、89分:7番→19リウ・ヤン、89分:5番→デン・ハンウェン

交代:(日)58分:長友→20中山雄太、58分:大迫→9前田大然、73分:遠藤→11番久保建英 85分:南野→8原口元気、伊東→21堂安律 (中)56分:8番→17 ウェイ・シーハオ、56分:9番→11ア・ラン、64分:2番→21ダイ・ウェイチュン、89分:7番→19リウ・ヤン、89分:5番→デン・ハンウェン

安定したビルドアップと集中した守備

 吉田麻也&冨安健洋のレギュラーCB2人をケガで欠き、誰が先発するのか注目されたが、森保一監督は谷口と板倉を起用した。フォーメーションは昨年10月のオーストラリア戦から採用している4-3-3。日本は結果が出ている陣形で中国戦に臨んだ。

 対する中国は昨年末に監督が交代したばかりでこれがリー・シャオペン監督の初陣。どんな戦いをするか読めない中、日本は試合開始から情報を収集していった。相手の陣形は4-2-3-1で日本の形にハメに来たが、インサイドハーフの守田と田中が下がったり、左右を入れ替えたり、谷口と板倉がビルドアップの際に幅を取って、立ち位置を変えながら、相手のマークを外していく。

 欲しかった先制点も流れるようなボールの循環から生まれた。左CBの谷口が右に開いた板倉にパスを送り、敵陣まで進入した板倉と遠藤がパス交換。リターンを受けた板倉は前に走り出した遠藤ではなく、内側にいる守田に預け、ワンクッション入れて右斜め前方にポジションを移した遠藤へボールが通った。遠藤は素早い反転から右ワイドに構える酒井へボールをつけると、酒井は裏を取った伊東にダイレクトでつないだ。

 ゴールライン際から送った伊東のクロスは、ブロックのためにスライディングした中国のボランチ、ワン・シェンチャオの右腕に当たり、PKを獲得。これを大迫が冷静に蹴り込み、日本が13分に先制に成功した。

 その後も日本は気持ちよくボールを走らせて優位にゲームを進めていく。ピンチらしいピンチがないまま前半45分を終えると、後半も優勢に試合を運ぶ。そして61分、大迫から前田、長友から中山で選手を交代した直後のことだった。

 左サイドから中山が上げたクロスを伊東が頭でとらえ、豪快にネットを揺らしてみせる。相手DFの間を狙った中山のボールに伊東がドンピシャのタイミングで飛び込んで決めた。2点のリードを奪った日本はさらに選手交代を交えながら攻撃の手を強めていく。遠藤に代えて久保を投入した後は、陣形を4-2-3-1に変更。2ボランチを守田と田中が務め、2列目は右から伊東(堂安)、久保、南野(原口)、1トップには前田が入った。

 日本はなおも優位にゲームを進めたが、その後は得点を奪えず、2-0でフィニッシュ。攻め続けていただけに3点目がほしいところだったが、勝ち点3を奪うという目的はしっかり達成した。

「今日の中国戦に向けてコンディションを合わせるというか、まずは絵を合わせる中では国内組はオフ明けで、海外組と合流後、2回の練習の中でどうやって絵を合わせていくか、非常に難しかったです。でも選手たちがしっかり準備してくれた。短い期間の中でも頭を切り換え、しっかり代表モードにしてくれて、今日の試合に良い準備ができました。CBのところがポイントだったと思いますが、日本には良い選手がたくさんいて、これまでの活動の中で谷口も板倉も見せてくれていました。今日は自信を持ってこれまでの活動の経緯、トレーニングの中で彼らの調子の良さを見て起用を決めました。(板倉は)ヨーロッパで、そして谷口は勝ち続けなけなければいけないチームの中でやっていて、その経験が生きたかなと。2人とも川崎F出身なので、息は合っていたかなと思います」

 監督交代の影響か、中国はまだまだチームとして形になっていなかった面もあるが、主軸を欠くなかで勝ち切ったことは日本にとって大きい。森保監督も、その意味を強調した。

 前半の日本は、ボールの循環の中で縦へのワンタッチパスを交えることでテンポを変え、狭いコースを鋭く通して相手の守備を後手を踏ませた。時に人を飛ばすロングパスやサイドチェンジも使って陣形を広げ、チャンスを創出。心配されたCBはピンチに晒されることはなく、谷口、板倉ともにビルドアップでも持ち味を発揮してみせた。層の拡充という点でも最終予選を経験した意味がある。

 日本はこの日の勝利でグループ2位をしっかりキープ。次戦は強度の面でも技術力でも、そして順位でも中国を上回る首位サウジアラビア。3位オーストラリアもベトナムに4-0で勝利しており、日本との勝ち点差は1ポイントのまま。次戦も日本にとってはポイントを落とせない試合になる。


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