日本代表は18日、国内組による合宿2日目を迎えた。練習前に稲垣祥(名古屋グランパス)がオンラインで取材に応じ、およそ10カ月ぶりとなる今回の代表活動について、「気負うことなく臨んでいる」と語った。

上写真=しっかり準備して今回の代表活動に臨んだという稲垣祥(写真◎山口高明)

ボランチで点を取れることが武器

 稲垣にとっては今回の合宿は昨年3月以来の代表活動になる。W杯アジア2次予選のモンゴル戦に途中出場し、2ゴールを決めた。しかし、その後は招集されず、10カ月ぶりに代表の場に戻ってきた。その間、どんな思いで代表を見ていたか問われると、「ちょっと身近になったかなという感じ。(代表に)入る前よりは親近感がわいた感じ。でもそこまで変わらですかね、見方は。いちファンとして見ていました」とさらりと答えた。

 もちろん、ただ傍観者だったわけではない。昨シーズンはベストイレブンに選ばれ、ルヴァンカップの決勝MVPにも選ばれた。特筆すべきはその得点力。とくにルヴァンカップでは決勝を含めて要所でゴールを決め、5試合4得点という破格の活躍でMVPにも選ばれた(J1でも8ゴール)。

 稲垣がゴールを重ねられたのには、冷静な状況判断とボールをしっかりとらえることができるからだ。昨季の名古屋はサイド攻撃を仕掛けた際に、ニアにFWが飛び込んで相手DFを引っ張り、ゴール前を空ける狙いがあった。稲垣は前に行きすぎず、タイミングよくスペースに走り込み、シュートを決めた。

「ボランチで得点を取れるというのはひとつ自分の武器だと思います。実際にそれを証明できた昨シーズンだったと思う。そういう存在感は今後も出していきたい。自分が代表にこれから生き残っていくならその存在感は必要だろうなと思っています」

 以前はタイミングよく前に入っていくことができず、チャンスを逸したこともあったという。しかし昨季、ゴールを取ることをテーマに掲げて取り組み、結果を出した。確かな自信を携えて久々の代表活動に臨んでいる。その姿勢はあくまで自然体で、気負いはない。

「自分自身が今までやってきたものをそのまま出したい。何か気負うものとか、そういうものでもないと思っています。いつも通りに今までプレーしてきたものをそのまま出せればいいかな」

 外から代表を見ていたこの10カ月の間も、ボランチの選手たちのプレーに刺激を受け、参考にすべきは参考にし、そして自分の色をしっかり把握して成長を目指してきた。「やってきたものをそのまま出す」というのは、自信があるからこそ言える言葉だろう。2021シーズンのJリーグを代表するボランチとなった稲垣。昨年3月の時よりもさらに磨き抜かれたプレーを今回の活動で示すーー。


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