日本代表でますます存在感を強めている鎌田大地。所属のフランクフルトではアシスト数を増やして、チャンスメーカーとして一本立ちしている。その力を日本代表へ。まだ戦ったことのない韓国との試合を見据えている。

上写真=日本代表でも存在感を増している鎌田大地。日本のファンの前で成長した姿を見せる(写真◎サッカーマガジン)

「監督のやりたいことを理解して向き合っていく」

 ボールという具体と時間という抽象。その両方を操るテクニックがずば抜けているのが、鎌田大地の最大の強みだ。軽快にボールにタッチして、相手のタイミングをずらして間隙を縫っていく技術は、見ていて楽しい。

 そんなテクニックを駆使して海を渡り、ドイツのフランクフルトで活躍中だ。今季は4ゴールに加えて光るのが9アシストで、ブンデスリーガでランキング首位と1差の5位タイ。

「ゴールはもう少し取りたいと思いますけど、アシストが多いのは自分が思っていたまま。自分はゴールを取れる選手とは思っていないので、チャンスメークの方が合っているというか、ゴールを取るのがうまい選手がいっぱいいるので想像通りです」

 好調の理由は、さかのぼっていけば「守備」につながりそうだ。

「僕はこういう(テクニカルな)プレースタイルにあまり合っていないチームでやってきているんですよね。鳥栖もフランクフルトも、守備を求めるチームです。でも、いい意味でプレースタイルにプライドはないので、人に合わせられるんです。自分がしたいというよりは求められることをやって、プラスアルファで自分の良さを出さないと試合に出られないですから。どういう選手になるべきか、加えてチームに求められることが絶対的にできないと試合に使ってもらえません。監督のやりたいことを理解して向き合っていくのが自分自身のためにもなるし、それができないと生き残っていけません」

 プライドがないというプライド。そうやってサバイブしてきた。鎌田にとって自分を生かすためには、それが最適解なのだ。

 その感性は日本代表に来ても同じことだ。昨年10月の活動では自分を理解してもらって仲間を理解する意欲を語り、11月シリーズでは理解が進んで自分らしさを発揮する端緒についたことを明かしている

 そして今回は、日本のファンの目の前で証明するだけだ。最初の相手は韓国。

「日本のライバルは韓国というイメージは小さい頃からあります。でも僕は世代別代表に入ったことがなくて韓国と試合をしたことないんです。だから、イメージだけですけど。鳥栖にいるときには韓国人選手がたくさんいて仲が良かったんですけど、彼らを見る限りはアグレッシブでフィジカルが日本人より長けているイメージです」

 人生初の日韓戦へ、プライドなきプライドで立ち向かっていく。


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