2020年10月、11月のヨーロッパでの活動に続き、伊東純也が再び日本代表としてプレーする。快足ウイングはすっかり森保一監督の構想の重要な一部になっている。今季のベルギーリーグで10得点を挙げた好調の秘密とは?

上写真=ベルギーでの好調を維持したまま久々の帰国。伊東純也の攻撃力に期待大だ(写真◎サッカーマガジン)

「10得点10アシストを目標にやってきた」

 チャンスメーカーからゴールゲッターへ。ベルギーのヘンクで主力を張る伊東純也がリーグ戦で10ゴールと二ケタに乗せて、自己変革のときを迎えている。

「得点についてはあまり取るのが得意ではなかったんです。チャンスメークの部分が得意で、そこばっかりだったんですけど、海外で結果を求められる中で点を取らなければいけないと自分から取りにいく意識を持ちました」

 少し視点を変えるだけで、必要なものがクリアに見えてきた。それが、ゴールだ。

「自分で10得点10アシストを目標にやってきたんですけど、そのためにはゴールを取らなければならない。そこを考えてやっていました」

 帰国直前のリーグ戦でスタンダール・リエージュから2ゴールを挙げて、10得点の目標をクリア。その得点感覚の高まりは、日本代表にも還元していきたい。2020年は10月と11月にヨーロッパ組のみの活動となったが、4試合のうち3試合に出場している。そして今回の、韓国との親善試合とモンゴルとのワールドカップ2次予選のメンバーにも選ばれた。その快足はいまや、日本代表の明確なストロングポイントとして森保一監督の構想を支えている。

 ストライカーへの変貌は、結局はベルギーでの経験が伊東を変えた、ということになるのだろうが、もちろんそこには工夫が施されている。

「ゴール前に入っていくこと、逆からのクロスに入ることを意識して、そういう得点が増えました。ボールが逆サイドにあるときはゴール前に入っていくことが増えましたね」

 右サイドのスペースを使って快足を飛ばして抜け出していくというウイングタイプのイメージが強いが、逆のサイドにボールがあればゴール前に忍び込んでいってフィニッシャーに「変身」することを意識している。

「チームではいま、サイドに張るよりも、サイドバックが高い位置を取って自分は中にいます。ドリブルで行くよりコンビネーションだったり逆サイドからのクロスに入っていったりということが多くなるので、やり方は変わっていますね」

 日本代表で求められる役割はまた違ったものになるだろうが、「逆サイドから入っていく」感覚はいわばサッカーIQの問題で、どんな戦術であっても必要なものだ。

「チャンスメークはできていたので、最後に取ることもできればもっと選手としての価値が上がると思ったので、そういうところを目標にやろうと思いました」

 3月25日の韓国戦、30日のモンゴル戦では、得意の突破だけではなく、逆サイドにボールがあるときの伊東の振る舞いにも注目だ。


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