3月25日に韓国とのテストマッチ、30日にモンゴルとのワールドカップ2次予選を戦う日本代表。22日から練習を開始したが、初代表となった川辺駿は、プロの扉を開いてくれたかつての指揮官、森保一監督との再会でアピールを誓っている。

上写真=初代表の川辺駿は練習初日にもにこやかな表情で溶け込んでいた(写真◎サッカーマガジン)

「戦うというところが一番重要」

 川辺駿がついに、日本代表の座を射止めた。サンフレッチェ広島で育ち、ジュビロ磐田での3年に渡る成長の時を経て広島に戻り、いまやボランチとして不可欠の存在。「広島のボランチ」の先駆者であり、プロの扉を開いてくれたかつての指揮官、森保一監督からついに声がかかった。

「小さい頃からの夢だったのでうれしいですし、そういった気持ちをぶつけなければいけないと思っています。まずは1回1回の練習から大事にしたいし、レベルが高い選手がたくさんいるので、少しでも吸収していきたいと思います」

 25歳での初選出だ。「遠回り」との印象も語るが、それで喜びが消えるわけではない。

「本当に時間がかかったと思っていますし、でも自分の中ではベストなタイミングで選ばれたと思います。やって来たことを出すだけですね。地道にやって来たことを見てもらえてうれしい」

 ここまで歩んできた道のりで、多くの人への感謝を示した。

「広島では森保さんが監督のときにトップに上げてもらいました」

「環境を変えなければと移籍したジュビロでは、名波(浩)さんが監督で一緒に戦って成長できました」

「広島に戻って城福(浩)さんをはじめ、守備をしなければ試合に出られないというチームの約束事があるので、自分のウイークポイントをストロングポイントに変えられたのが良かった」

「(稲垣祥が広島から名古屋に移籍して)守備の激しさ、強さ、奪う部分は見習うところが多かったです。いなくなって、そういう部分が弱くなったと言われるのが嫌でした」

「(磐田では中村)俊輔さんが一番うまかったので、簡単にはたくのではなくてうまい選手が時間を作るのは重要だということ、時間の作り方や技術の高さを学ばさせてもらいました」

「アオくん(青山敏弘)からは代表の厳しさも感じています。毎試合、Jリーグで戦う姿を間近で見てきて育ったので、いい影響をもらっています」

 もちろん、この場ですべての人に感謝を伝えるわけにはいかないが、それでも一生に一度しかない「初代表」のタイミングこそ、感謝の心を届けるのはふさわしい。

 日本代表1年生としては、活動期間中にどんな小さなことも逃すつもりはない。追い越さなければなければならない選手はたくさんいる。

「選ばれている選手、試合に出ている選手は戦うというところが一番重要で、代表でも代表ではなくても大事ですけれども、より大事になる部分だと思います。自分もそこは成長しましたし、ピッチに立てるようにまずは練習からアピールしないといけないと思っています。ピッチに立ったら、自分の特徴の前にベースの戦う部分を出さなければいけないと思います」

 その上で、表現していきたい自分の強みはどこにあるだろう。

「戦う部分をベースに、特徴である飛び出しや前に出ていく姿勢を評価してもらって選ばれたと思うので、試合に出るからにはそういう特徴を出したいと思っています。今回、選ばれた選手を見ても、3列目からの飛び出しは自分にしかないものなので、しっかりアピールしたいと思います」

 代表に合流する直前のJ1第6節大分トリニータ戦では、その「飛び出し」から鮮やかな逆転ゴールを決めている。そんな鮮烈なゴールを、新しいブルーのユニフォームでも見せていくつもりだ。


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