9日にオーストラリアのグラーツで合宿をスタートさせた日本代表のFW浅野拓磨が、初日にオンラインで取材に応じた。自身は約1年ぶりの代表復帰となるが、その言葉一つ一つが自信に満ちていた。この1年で積み上げてきたものを11月シリーズで出すと誓う。

上写真=約1年ぶりに日本代表に復帰した浅野拓磨。久々の練習に笑顔がはじける(写真◎JFA)

ゴールに絡むプレーを出せるんじゃないかと

「参加したい気持ちはあった」

 浅野は代表への思いを隠さなかった。

「活動がある限り、参加したいと思います。前回は(参加できず)悔しい思いをしましたけど、今回呼んでもらって光栄です」

 所属するパルチザン・ベオグラードがあるセルビアでは、新型コロナウイルスの影響により出入国に制限があり、10月は代表活動に参加できなかった。1年ぶりの代表復帰に、強い思いを持って臨んでいる。所属クラブで定位置を確保し、自信を深めた。

「目に見える結果を出せていて自信もある。もちろん、まだまだチャンスの数と結果は満足いくものではないですが、ベオグラードに行ってからコンスタントに試合に出られているのが成長につながっていると思います。常に試合に出続けること、ケガなくプレーできていています」

 この1年で成長を実感し、積み上げてきたものを代表チームで生かすイメージも持てている。

「もちろんFWの選手なので、FWをやりたいと思いはありますし、使われたらゴールを取る自信も常に持っています。ただベオグラードではサイドで基本で使われていますし、毎試合コンスタントに出れているからこそ果たす役割を学べて成長できていると強く感じています。どこで出てもゴールとか攻撃だけじゃなく、チームとしてどういう仕事するべきか考えながらプレーできるように成長できている。どこでプレーしようが僕は構わないですし、与えられた場所で与えられた役割を全力でやりたい。日本代表のために戦えるし、全力でやるだけです」

 元来、チームのためにプレーできる選手だったが、厳しい環境で戦う中で、チームに必要なプレーをより深く考えられるようになった。それこそが浅野の大きな成長であり、所属クラブで信頼を得ている理由かもしれない。そうした姿勢が好循環を生み、目に見える数字にもつながった。今季ここまでリーグ戦とカップ戦合わせて17試合に出場。8ゴールを挙げ、文字通りパルチザン・ベグラードの得点源として活躍している。

 10月シリーズの日本の戦いぶりについては、リアルタイムでしっかりは見られなかったとしつつも、「もっとチームとして戦える部分あると思いますが、マイナスなイメージはなかったです。ゼロで抑えていますし。ただ、ゴールという部分では、もっともっと攻撃面でやるべきことはチームとしてあると思います。僕が入ったらどういうプレーをしよう、というイメージは持って見ていました。スペース生かすプレーやゴールに絡んでいくプレーは出せるんじゃないかと思っています」と印象を語った。

 大迫勇也が不在の今回、FWとして選出されているのは浅野と鈴木武蔵の2人だけだ。長く日本の前線に君臨してきた大迫の不在の在を感じさせることになるのか。それとも、浅野が不在を感じさせないプレーを見せるのか。13日のパナマ戦、17日のメキシコ戦に注目だ。


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