AFC女子アジアカップで初戦を終えたなでしこジャパン(日本女子代表)。ミャンマーに5-0と圧勝したが、田中美南は前半だけのプレーでノーゴールに終わった。悔しさをのぞかせながらも、さらなる強引さを自らに求めている。

上写真=田中美南は今後の過密日程も踏まえて45分のプレー。「悔しいけれど説明を受けて納得」と次に切り替えている(写真◎AFC)

「迫力は最初からもたらしたいと」

「もっと強引にいけばよかったかな」

 なでしこジャパンが迎えた初戦、ミャンマー戦で植木理子とともに2トップの一角を任された田中美南は、ハーフタイムに交代。45分のプレーをそう振り返った。

 ケガなどのアクシデントではなかったから、早期の交代は「もちろん悔しかった」と認めたが、池田太監督からは今後の過密日程も踏まえた上での交代と説明を受けた。それに、短い時間でも手応えがあった。

「得点という形で取れなかったのは悔しいですけど、自分のプレーでいえば理子と2トップで出て、自分が間に落ちて起点を作ることはできたと思います」

 ただ、このあとに「もっと強引に…」とつなげたのだった。

 その言葉には2つの意味があるという。

「両方あるんですけど、理子とのコンビを考えたら、間で受けるシーンが多くなりました。理子のアクションを見てパスを選択したことは良かった反面、自分自身で得点はほしいですから、取れないのは悔しかったです。パスよりも、もう少しゴリゴリいってもよかったかな、と」

 その「ゴリゴリ」がなかったわけではない。むしろ、迫力のフィニッシュでチームに勢いをもたらした。開始1分、左サイドを崩して三宅史織がセンタリング、中央で待ち構えて力強いヘッドでゴールを襲った。わずか左に外れたが、誰もが大会初戦に集中して勢いを持って入っていく重要性を口にしてきて、それを体で示してみせた。

「相手のいることなので決めるのは簡単ではないですが、迫力は最初からもたらしたいと思って入りました。決められたら良かったですけど、見せることはできたと思います」

 植木とのコンビネーションについても、池田監督からは期待の言葉がかけられていたという。裏抜けが得意な植木と、足元で受けて展開できる田中美の関係。

「相手がマンツーマンでついてくる傾向があって、理子が裏に強いので(動いたあとに)間が空いてきます。そのタイミングで下りるのを意識していて、前を向けるシーンもありました」

 植木の動きに相手が引っ張られることで出現するスペースを狙っていた。そこで縦パスを引き出して前を向けば、フィニッシュでもラストパスでも好きなように選ぶことができる。

 その上で、やはりゴールがほしい。だからこその「ゴリゴリ」である。

 わずか45分でプレーが終わったのも、残り試合で活躍するため。次の相手、ベトナムとは4年前の前回大会でも対戦していて、得点を奪っている。ぜひ、その再現を。


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