なでしこジャパン(日本女子代表)のオランダ遠征が終わった。キャプテンの熊谷紗希は親善試合2試合目のオランダ戦でフル出場、無失点で乗り切った。守備への一定の手応えを口にする一方で、ゴールを奪えなかった攻撃に課題を見た。相手の守備を崩すのではなく「壊す」という強い意志が必要だと。

上写真=キャプテンに指名された熊谷紗希はオランダ戦でフル出場。守備に抜群の安定をもたらした(写真◎Getty Images)

■2021年11月29日(現地時間) 国際親善試合(@オランダ・ハーグ)
オランダ女子代表 0-0 日本女子代表

「もっと要求し合えるような関係を」

 熊谷紗希がなでしこジャパンに帰ってきた。オランダ遠征の初戦、アイスランド戦は出場を見送り、オランダ戦で満を持して登場した。

 センターバックの右でプレー、盤石の守備を見せた。だが、オランダが中1日での試合となってメンバーを落としてきて、当然といえば当然だった。「率直な感想としては、勝たなければならなかった」と話すのもうなずける。

「前から行く意識と守備に関しては、アイスランド戦よりはできたと思っています」と守備には手応えだ。熊谷が最終ラインで引き締めて、アイスランド戦で破られたサイドの裏のスペースもしっかりケアした。中盤のセンターに入った長野風花と林穂之香のボール奪取能力は素晴らしく、2トップのプレスバックも機能して、攻めて奪われたあとの切り替えの場面でも、オランダが攻撃を始める最初の一歩のところで全員でボールを絡め取っていった。

 そうなると、課題は攻撃にフォーカスされていく。チャンスは作った。中盤から長野や長谷川唯、宮澤ひなたも積極的にペナルティーエリアに入っていって、ゴールに迫った。だが、後ろから見ていた熊谷は「ゴールは遠かった」と感じていた。

 アイスランド戦のあとには、所属するバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)のチームメートと話をして、日本の攻撃に怖さがなかったと言われたことを明かした。

「もっと要求し合えるような関係をつくって、選手たちが点を取るためにもっともっと要求していくべきと思います」

 どこでパスがほしいのか、いつほしいのか、お互いに高めていく作業が、相手への恐怖感の源になる。

「もう一つ崩せるというか、壊せるプレーが必要になってくると思います」

 崩す、ではなく、壊す。その強い意志が、新生なでしこジャパンに求められている。


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