池田太監督を迎えた新体制のなでしこジャパン(日本女子代表)は、オランダ遠征での総仕上げとして11月29日(現地時間)、オランダと対戦。前半からリズムをつかんだものの、最後までゴールを奪いきれずに0-0のドローに終わった。

上写真=長谷川唯が突破を試みる。ボールに多く関わってゴールを目指したが実らず(写真◎Getty Images)

■2021年11月29日(現地時間) 国際親善試合(@オランダ・ハーグ)
オランダ女子代表 0-0 日本女子代表

画像: ■2021年11月29日(現地時間) 国際親善試合(@オランダ・ハーグ) オランダ女子代表 0-0 日本女子代表

74分には菅澤優衣香がビッグチャンスも…

 熊谷紗希も、岩渕真奈も「勝たなければいけなかった」と口を揃えて悔やんだ。オランダ遠征でなでしこジャパンが最後に戦ったのが、2019年ワールドカップ準優勝のオランダ。中1日での戦いでベストメンバーを組めない相手を突き崩せず、スコアレスドローに終わった。

 序盤から日本のペースになった。『奪う』のコンセプトが力強く表れて、相手陣内に押し込み、奪われれば一瞬で切り替えて奪い返し、セカンドボールを拾い続け、相手の攻撃のスイッチのパスを鋭い予測で回収する。これでリズムをつかんだ。

 だからこそ、チャンスに決めたかった。

 前回のアイスランド戦に比べて、見違えるほどに崩していく。28分、中央で長谷川唯と田中美南が空中でワンツー、左の裏に流し込み、宮澤ひなたが折り返した展開は、クロスがブロックされたものの完全にDFラインの背後を取った。37分には右サイドで田中が倒されて負傷退場することになったファウルでFKを得ると、長野風花のキックがファーサイドへ、フリーで飛び込んだ南萌華の左足のシュートは枠を外れた。40分には右サイドを割っていく。長野のパスを受けた宮澤がワイドの位置から中にドリブルで入っていくと、長野が右裏に走り込んでボールを引き出してマイナスへ、菅澤優衣香が狙ったが、またもブロックされた。

 後半に入っても日本が小気味よく攻めていく。52分には宮川麻都の縦パスで左を岩渕真奈が抜けていき、直後の53分には素早く右に展開して清水梨紗のオーバーラップからクロス、59分には奪われた直後に切り替えて長谷川がハイプレスで奪って、そのまま右からクロスをファーへ、宮澤ひなたが狙った。しかし、いずれも相手にブロックされてしまう。

 69分にも右サイドで長谷川と清水のパス交換から長谷川がファーへ、宮澤がまたも狙うが枠の外、そして迎えた74分が、この日最大のビッグチャンスだった。左の菅澤が中央に戻してから裏抜け、隅田凜を経由して戻りながら受けた岩渕が巧みにスルーパスを送ると、菅澤がフリーに。しかし、シュートに力が入らずに決めきれなかった。

 まさに岩渕が「点を取れないと勝てない。攻撃の選手として責任を感じる」と厳しく反省した通り、フィニッシュでオランダのブロックをかいくぐれないまま90分を終えた。池田太監督も「コンビネーションや回数、共通のタイミングを作って突破するのはもっともっと高めていかないといけない」と課題を見つけていた。

 なでしこジャパンは12月に国内でキャンプを行い、1月にインドで行われるアジアカップに参戦。上位5位チームにワールドカップの出場権が与えられる。


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