オランダに遠征中のなでしこジャパン(日本女子代表)で、池田太監督は熊谷紗希をキャプテンに指名した。長くヨーロッパで活躍する実績とそのキャラクターがふさわしいとして、チームを高めていく選手をまとめる立場を任せることになった。

上写真=池田太監督はアイスランド戦の反省を生かして「バランス」を整えながらオランダ戦に向かう(写真◎JFA)

「アグレッシブさは継続しながらも」

 池田太監督がキャプテンに指名した熊谷紗希は、これまでもなでしこジャパンでチームを引っ張ってきた。2018年アジアカップ、2019年フランス・ワールドカップ、2021年東京オリンピックとビッグトーナメントでキャプテンを務めてきて、フランスのリヨン、現在所属するドイツのバイエルン・ミュンヘンなどヨーロッパでの経験と合わせて申し分なし。

「チームみんなで発表する前に、熊谷選手と話し合いました。ヨーロッパで活躍して経験がありますし、性格の誠実さやフラットさ、年齢の低い選手に対してもスタッフに対してもコミュニケーション能力の高さは素晴らしいですし、一緒に強くしていこうということで彼女にお願いして、快く答えをもらったので、決まりました」

 池田監督は起用の理由をそう話す。

 熊谷は今回のオランダ遠征の初戦となった11月25日(現地時間)のアイスランド戦はベンチで試合を見守った。次は29日(同)のオランダ戦だ、池田監督は試合前で細かい情報は明かさなかったが、「遠征の最終日に全員がプレーできる状態なのはうれしいこと」としていて、熊谷もアイスランド戦の前に「100パーセントの状態で出られる」と自ら明かしていたこともあり、出場が期待される。

 そのオランダは、前回のアイスランドよりも格上。東京オリンピックでも準々決勝でアメリカにPK戦で敗れたものの、エースのビビアン・ミーデマの得点力は高く、守備も堅い強敵だ。

「無観客ですが、アウェーでできる環境で、オランダ戦に向けて選手全員がいい準備ができています。アグレッシブさは継続しながらも、相手との駆け引きのバランスでどういうところをポイントにしようか選手と詰めて明日に向かいたい」

 新生なでしこジャパンとしての2試合目に、ハイレベルなチームと戦う意義は大きい。コンセプトに掲げる「アグレッシブさ」を全面に押し出しつつ、アイスランド戦ではその勢いをひっくり返されて2失点しているだけに、慎重と大胆のベストバランスを探る一戦になりそうだ。


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