なでしこジャパン(日本女子代表)は25日にアイスランド戦に臨み、0-2で敗れた。しかし池田太監督の初陣となったその試合では狙いを持って戦い、さまざまな収穫があったと多くの選手が振り返る。CBでフル出場した三宅史織もその一人だ。

上写真=アイスランド戦でフル出場した三宅史織(写真◎スクリーンショット)

本当に行くべきか、どこに帰るべきか

 アイスランド戦ではCBとしてフル出場を果たした。速くて高くて強い相手アタッカーが前線にいる中で、三宅は収穫と課題を得たと振り返る。

 収穫の一つはチームコンセプトである積極的な守備の効果を実感できたことだ。とくに前半、前から奪いにいく守備で「ボールを獲れる」時間をつくった。

「昨日の試合(アイスランド戦)では前から行くというところで相手を自由にさせない、アグレッシブにボールを取りにいくという一つのコンセプトはできたと思います。その中で、誰がどこを切って、どこを捨てるというのがまだ、もう少しやっていかなきゃいけないと感じました。ただ前から行ってみて、何ができなかったのかということがはっきりした。前半のボールが獲れている時間というのは、ハマっていたので、その中で自分たちが押し込んで決め切る力だったり、守備の改善には時間がかかってしまったんですけど、1回、自分たちの時間を取り戻せました。昨日の試合では自分たちのやりたいことをやり続けた中で、少し獲れる時間帯が増えたことはよかったと思います」

 三宅が話したのはチームの共通認識だろう。前から行ってハマれば、奪える。ただ、外されたら難しい。そのリスクを勘案しつつプレーすることが重要になる。当たり前と言えば当たり前だが、この塩梅が難しい。そのバランス、精度を上げていきたいと三宅は言う。

「チーム全員で話す機会がまだないんですけど、個人的な意見としてはアグレッシブに前からボールを取りにいくというコンセプトでやっていくと、後ろでリスクをかけて同数になるシーンもあるし、獲り切れないシーンは絶対にある。本当に行かなければいけないのかの判断と、どこに帰るのかというところを、チームで統一していけばと思います」

 チームがスタートしたばかりであることを考えれば、「できた」と実感できた部分があるのは大きい。しかもまだ1試合ではあるものの、可能性も感じられた。これからできる範囲を広げ、できなかったことをできるようにしていく。東京五輪では出場機会を得られず、力を発揮し切れなかった三宅にとっては良いリスタートになったのではないか。次戦のオランダ戦、来年1月の女子アジアカップで、さらに「できる」チームを、「できる」三宅を、表現することになるーー。


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