なでしこジャパン(日本女子代表)が7月21日の1次リーグE組初戦でカナダ女子代表と対戦し、1-1の引き分け。前半に先制され、後半にはPKを止められたが、FW岩渕真奈が終盤に同点ゴールを決め、勝ち点1をつかんだ。

上写真=先制され、苦しい展開を強いられた日本だが、何とか追い付いて勝ち点1を得た(写真◎Getty Images)

■2021年7月21日 サッカー女子1次リーグE組(@札幌ドーム)
日本女子 1-1 カナダ女子
得点:(日)岩渕真奈
   (カ)クリスティン・シンクレア

・日本女子メンバー◎GK池田咲紀子、DF清水 梨紗、熊谷紗希、南萌華、北村菜々美、MF三浦成美、中島依美(76分:杉田妃和)、塩越柚歩(62分:遠藤純)、長谷川唯(90分:籾木結花)、FW菅沢優衣香(HT:田中美南)、岩渕真奈

・カナダ女子メンバー◎GKステファニー・ラビー(58分:ケーレン・シェリダン)、DFアシュリー・ローレンス、カディーシャ・ブキャナン、シェリナ・ザドースキー、アリシャ・チャップマン、MFデジレー・スコット、レベッカ・クイン(72分:ディアン・ローズ)、ジェシー・フレミング、クリスティン・シンクレア(85分:エベリン・ビアン)、FWニシェル・プリンス(85分:アドリアナ・レオン)、ジャニン・ベッキー
 ※実際のポジションで表記

後半に田中がPKを止められるも…

 日本は地元開催の五輪で好スタートを切りたかったが、いきなり出鼻をくじかれた。6分、左サイドへの縦パスをFWプリンスに折り返されると、中央でDF熊谷が足を伸ばしたがクリアできず、飛び込んできたMFシンクレアが右足で合わせる。これは左ポストに当たったものの、はね返りをシンクレアに押し込まれて先制を許した。

 その後は落ち着きを取り戻し、ボール奪取からゴールに迫る場面もあったが、ゴールに近づいてからのプレーで細かいミスが多く、良い形を作れない。結局、前半は決定機を作れず、1点のビハインドで後半へと折り返した。

 高倉麻子監督は後半開始からFW菅澤に代えてFW田中を投入すると、すぐさま交代策が的中する。47分、長谷川のアーリークロスに合わせて田中がゴール前に飛び込み、GKラビーと交錯。一度は田中のファウルと判定されたが、五輪では今大会が初導入となったVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入し、判定が覆って日本にPKが与えられた。

 田中との接触で負傷したラビーの治療に時間がかかり、最初の交錯プレーから6分以上がたったところで田中が自らPKを蹴った。しかし左へのキックはコースが甘く、ラビーに阻まれて絶好の同点機を逃してしまう。

 日本は59分、相手の左からのセンタリングをGK池田がキャッチミス、こぼれ球を押し込まれて2失点目かと思われたが、オフサイドの判定で事なきを得た。その後はMF遠藤、MF杉田を投入して同点を目指すものの、決定機を作るには至らない。

 だが終盤に入った84分、日本の窮地を救ったのはエースの一撃だった。右サイドからのロングパスに反応して最終ラインの背後に抜け出した岩渕が、PKストップ後に退いたラビーに代わって出場していたGKシェリダンの位置をよく見て、ニアサイドを抜く右足シュートを決めた。

 追い付いた日本は一気に逆転を狙って攻め込むが、カナダも終盤は前線への圧力を強め、8分と表示された後半アディショナルタイムは双方がゴールに迫る。だがスコアは動かず、1-1で勝ち点1を分け合う結果となった。

 高倉監督は試合後に「初戦なので非常に難しかった。前半は失点したくなかったのですが、ああいった形で追いかける形になったので、少し重苦しい感じもあった」とコメント。「前半はなかなか自分たちのリズムを作れなかったので、人の距離を調整しようと後半に入って、自分たちのリズムでできる時間は増えたと思う。何とか粘り強く戦ってくれたので、勝ち点1はプラスに捉えて次に進んでいきたい」と、24日のイギリスとの第2戦を見据えていた。


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