パナマ女子代表に7-0と快勝したなでしこジャパン(日本女子代表)で攻撃のけん引車となったのが長谷川唯だ。今回の活動にはクラブ事情により遅れて合流したが、これまでの積み重ねをしっかりピッチで表現。勝利に貢献した。

上写真=攻撃をけん引した長谷川唯(写真◎小山真司)

■2021年4月8日 国際親善試合(@国立競技場/観衆4,036人)
日本女子 7-0 パナマ女子
得点:(日)菅澤優衣香、清水梨紗、長谷川唯、菅澤優衣香、籾木 結花、菅澤優衣香、杉田妃和

「上からパスするように」シュート

 所属するミランの事情もあり、長谷川は今回の合宿には遅れて合流することになった。実質練習できたのは1日だけ。しかし、左サイドハーフで先発すると、攻撃の中心として存在感を示した。「FWの近くでプレーするということは意識していました」と本人が話したように、積極的に前に関わり、チャンスを生み出した。

 ドリブルでボールをバイタルエリアに運び、裏を狙う岩渕真奈へのスルーパスを通し、そして自らもシュートを放った。前半32分にはチームの3点目となるゴールを決めている。

 ゴール前のこぼれ球に反応すると、「キーパーが目の前にいたのと、ゴールに戻る選手が3、4人見えて、そこでコースが見えなかったというか、上しか空いてないなと思った。相手を見るというよりは上からゴールにパスをするような感覚で打ちました」と華麗なループシュートでネットを揺らした。冷静な判断力とアイディア、何より正確な技術が光った。

 今年1月にイタリアに渡り、「まだ数カ月なので、自分自身でそこまで大きく成長したと思えるところがない」と語る一方で、「フィジカルのコンタクトが多い部分とか、これからに生かしていけたら」と、体格で勝る選手たちと戦う日々の中で自身を磨いてきた。その効果がピッチで現れるのは、まだ先なのかもしれない。ただ、得たものはすべて代表チームでのプレーに還元していきたいと話す。

「(ボールを)奪われた後の切り替えの部分はできたと思いますけど、やっぱり質の部分で、まだまだ。きょうはたくさん点を取って勝てましたが、それでも質が低い場面があったので、自分自身もシュートのところは課題ですし、まだまだやることはたくさんあるなと思いました」

 視線は東京五輪にしっかり向けられている。次の代表活動は6月。さらに成長した長谷川唯を見られるはずだ。


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