なでしこジャパン(日本女子代表)は8日に久々の国際親善試合に臨み、パラグアイ女子代表に7-0で大勝した。右サイドバックで先発した清水梨紗は多くの収穫を得た一方で課題も認識していた。試合翌日のオンライン取材で、さらなる向上のために必要なポイントについて語った。

上写真=メディアの質問に答える清水梨紗(写真◎スクリーンショット)

意思の疎通ができていなかった部分もあった

「7点決めて勝てたことはすごくうれしかったし、とっても良い雰囲気で試合ができました。その中でも課題っていうのが見つかってきたので、それをまた全体で取り組んでいきたいと思います」

 相手と実力差があり、強度も高くなかったゲームは日本の大勝に終わった。当然ながら選手たちもそのことを十分に理解し、手放しで勝利を喜んではいない。結果のみにフォーカスすることはなく、何ができて何ができなかったのかについて、しっかり共有している。試合翌日、右サイドバックとしてパラグアイ戦に先発した清水が振り返った。

「ボールを持っている時間が長くて、その中でもやっぱりミスもありましたし、ビルドアップの中で裏と表をとっていくという部分で意思疎通ができてなかったところもあった」

 高倉麻子監督も試合後に言及していたが、パスのズレやタイミングそのもののズレも見られた。相手のプレッシャーがさほど高くない中で「ズレ」が生じたことは修正点。清水も課題を克服すべく「共有」の必要性に触れている。

 また、昨年秋の合宿からトライしているコンパクトネスの獲得に関しても、前線と2列目の間がやや空き気味となる時間があり、相手に使われるシーンもあったため、清水はさらなるブラッシュアップの必要性を強調。生じた課題についてはすぐに選手間で話し合い、修正に努めるつもりだ。

 一方で収穫も、もちろんある。右サイドで北村菜々美とタンデム(縦関係)を組んだが、幅を取る役割と中で攻撃に加わる役割を状況に応じて分担してプレーできていた。

「菜々美もサイドバッグをできる選手ですが、ビルドアップのときには、どっちかがサイドを使ったり、どっちかが中でつくるといういうことは決めていて、自分が中に行くことが多かった。やっぱり菜々美はスピードが武器だと思うので、それを引き出せるようにというのは話してました」

 その関係性はよく、攻撃に幅と厚みを生むことになっていた。後半途中からは籾木結花と縦関係を築いたが、ベレーザ時代から勝手知ったる間柄。キープ力の籾木にボールが入ると、タイミングの良いオーバーラップを繰り返した。前後半でプレーを変えながら清水は大勝に貢献した。

 さらに合宿で練習を重ねてきた崩しのパターンもいくつかピッチで表現することができたという。フィニッシュ精度はまだまだ向上が必要だが、仕掛けや崩しに関してはチームとして同じ絵を描けていた。

 難しい状況の中で来日し、対戦してくれたパラグアイ代表に感謝の意を示しつつ、清水は「ワンシーン、ワンシーン、もっと詰めていくことがこの親善試合の意味」と語り、明日11日のパナマ戦は、収穫と課題をしっかり意識しつつ試合に臨むと話した。五輪本大会まで、およそ3カ月。予定されている強化試合はパナマ戦を含んであと4試合。メダル獲得に向け、さらに集中して準備していく。


This article is a sponsored article by
''.