2年ぶりのルヴァンカップ決勝(10月26日)に駒を進めた川崎Fは、初優勝を懸けて札幌と戦う。決戦の前日、雨が降りしきる埼玉スタジアム第2グラウンドで、選手たちは試合前日のトレーニングを行なった。

上写真=決勝前日トレーニング後、報道陣の取材に対応する田中(写真◎J.LEAGUE)

「簡単な試合にはならない」

 川崎Fはこれまでに、4度のルヴァンカップ決勝(2000年、2007年、2009年、2017年)で涙を呑んできた。それだけに、今回は“5度目の正直”として、大会初優勝を狙う。

 ボランチを担う生え抜きの田中碧も、タイトルへの思いは強い。「僕自身、準決勝はチームを離れていたので」と言うように、鹿島との準決勝2試合は、U-22日本代表に招集されていたため出場しなかった。それだけに、「みんなに(決勝へ)連れてきてもらったという思いがあります。だからこそ、ここで勝たないと。自分が責任を負うくらいの覚悟で挑みたい」と、決勝へ闘志を燃やす。

「自分自身、決勝という舞台に立つのが初めて」。そう話す田中にとって、タイトルが懸かる大一番は、いわば“未知の領域”だ。ただ、初めての舞台を前にしても緊張する様子はなく、落ち着いた表情で言葉を紡ぐ。

「そう簡単にいつも通りのメンタルでプレーできるとは思っていないし、いろいろなシチュエーションが自分に起こると思う。だから準備をして、(試合を)楽しめればいいかなと思います」

 決勝で戦う札幌は、田中が昨シーズンにJ1デビュー戦で初ゴールを決めた相手でもある。「もちろん、その試合(2018年第26節・○7-0)のイメージはあります」と言うが、「相手も昨年とは全然違うだろうし、タレントもたくさんいるので、簡単な試合にはならない」と、表情を引き締める。

「どの選手も一人でゴールまで行けるし、(チームとして)コンビネーションでゴールへ行く力もある。なかなか難しい相手」。日本代表FW鈴木武蔵らを擁する札幌に警戒心を強めつつ、結果だけを求める。

「内容どうこうより、勝たないと意味がない。必ず勝ちたい」

 クラブの歴史に『ルヴァンカップ優勝』の文字を刻むべく、21歳の若き司令塔は必勝を誓う。

関連記事

サッカーマガジン 2019年12月号


This article is a sponsored article by
''.