上写真=J初得点を挙げた長野戦。河村はフル出場し、勝利を決定付ける2点目を挙げた(写真◎GAINARE TOTTORI)
「試合後は実感がなくて」
1-0とリードして迎えた後半アディショナルタイムの90+5分、鳥取はFW棚田遼がボールを奪ってカウンター。右サイドをドリブルで運んだ棚田が中央に送り、猛然と走ってきた河村が左足で決めて、勝利を決定的にする2点目を決めた。
いわきFC、東京ヴェルディ、ブラウブリッツ秋田と過去にプレーしたクラブでは得点がなく、これがJリーグ初得点。パスが来る前は「何も考えていなくて、出してくれたら迷わず左に蹴ろうと決めていた」そうで、「走りながら準備ができていたので、落ち着いて決めることができたと思う。入ってホッとしました」と振り返った。
友人から「やっと決めたね、というLINEがたくさん来た」という初得点に感慨ひとしおかと思いきや、「試合後は実感がなくて、家に帰ってDAZNで映像を見て『あ、決めたんだな』と徐々に実感が湧いてきた」と振り返る。それ以上に「やっと連勝できたことの方が大きかった」との思いが強く、19位から14位に浮上したことを喜んだ。
一時の最下位から上昇気流に乗りつつあるとはいえ「J2昇格を目指しているので、もちろん満足できる順位ではない」とも強調する。前節終了時点で最下位のFC琉球から14位の鳥取までは勝ち点差3という混戦で、「連勝して順位も上がって、聞こえはいいかもしれないですが、一つ負けたら、また最下位になるような位置。むしろ危機感を持ってやらなければいけない」と意気込んだ。
14日の次節はアウェーで奈良クラブと対戦する。鳥取は今季ホームでは4勝3分けだが、敵地では1分け7敗と極端に戦績が悪い。J初得点で勢いづく24歳は「まだアウェーで勝ちがないのは、あってはならないこと。どんな内容でも、とにかく勝たなければいけない」と決意を新たにしていた。
取材・写真◎石倉利英