栃木シティFWピーター・ウタカが、今後のゴール量産を誓った。5月31日の明治安田J3リーグ第14節・ガイナーレ鳥取戦で加入後リーグ戦2試合目の先発出場を果たしたものの、2試合連続ゴールはならず、チームも11試合ぶりの敗戦。J1とJ2で得点王に輝いている41歳のストライカーは、史上初の全カテゴリー得点王を目指すとともに、J2昇格に貢献すべく燃えている。

上写真=この日は無得点に終わったが、ゴール前での鋭い動きで脅威となったウタカ。コンディションも上がってきていると語った(写真◎石倉利英)

■2025年5月31日 J3リーグ第14節(@Axis:観衆1,679人)
鳥取 1-0 栃木シティ
 得点:(鳥)オウンゴール

日本語も交えて決意のコメント

 JFLからの昇格1年目ながら前節終了時点で首位に立っていた栃木シティは、81分のオウンゴールによる失点によって0-1で敗れ、第2節以来の黒星を喫するとともに2位に後退。先発して72分までプレーしたが、前節に続く2試合連続ゴールとはならなかったウタカは「良くない試合だった。我々はボールコントロールやパスでミスがあまりにも多く、セカンドボールも奪われていた」と厳しい表情を浮かべた。

 前線のスペースに抜けようとしたり、エリア内でフリーとなってパスを要求する場面もあったが、パスが出てこないことが多かった。「ボールホルダーが良い判断をできるように、いつも話し合っている。今日も何度も走ったけど、別の選手を選択することが多かったので、少し残念」と振り返り、「次の試合はもっと私を見てほしい。ボールを持てば、もっと相手の脅威になれる」と自信をのぞかせた。

 67分に右からのセンタリングをニアサイドで合わせようとしたチャンスでは、防ごうとする相手GKと接触する混戦から、最後は右足で狙うも右ポストに当たって決まらず。「私はストライカーなので、すべてのクロス、すべてのシュート、セカンドボールに反応する。あのシーンもボールが見えたが、あまりにも難しい状況で、角度もなかった」と語り、「今日は我々のサッカーができず、鳥取の方が良いプレーをしていた」と認めた。

 昨季限りでヴァンフォーレ甲府との契約が満了となり、今季開幕後の3月末に栃木シティへの加入が発表された。2月で41歳と大ベテランの域に入り、さすがに運動量は少なくなっているが、懐の深いボールキープ、体格を生かしたパワフルなプレーなどは健在だ。本人も手応えを感じており、「コンディションは良くなっている。だから先発で出場して、もっと長い時間プレーしたいし、もっとハードワークしたい。ゴールを決めたいので、次の試合に向けてチームメイトと話し合い、もうちょっと早く私を見てほしい」とアピールした。

 2015年に清水エスパルスに加入して以降、サンフレッチェ広島、FC東京、徳島ヴォルティス、甲府、京都サンガF.C.と数多くのJクラブでプレーしてきたとあって、英語でのコメントの合間に日本語が混じる。前述の「モウチョットハヤク(もうちょっと早く)」も日本語で、続けて「チョット、オソイ。ズット、ソト。マンナカ、ツケナイ。ゴールハ、マンナカ(ちょっと遅い。ずっと外。真ん中、突けない。ゴールは、真ん中)」と日本語で説明した。

 2016年に広島でJ1得点王、2020年に京都でJ2得点王に輝いており、今季J3で得点王に輝けば、J史上初の全カテゴリー得点王という偉業を達成する。今節を終えて6試合に出場して2得点。5月31日終了時点での得点ランクトップは高知ユナイテッドSCのFW小林心(5月30日にJリーグの選手登録が抹消)の10得点、2位が福島ユナイテッドFCのFW樋口寛規の7得点で、残り24試合での戴冠は決して不可能ではないように思える。

 Jリーグへの選手登録が完了したのが第7節終了後の4月4日で、本人も「チョット、オソイ(ちょっと遅い)。みんな開幕からプレーしているけど、私がプレーできるようになったときは7試合消化していた」とハンディを指摘。それでも「自分のベストを尽くしてチャレンジする。J3得点王になりたいし、私のゴールで栃木シティがJ2に昇格することが、イチバンダイジ(一番大事)。もっと多くのゴールを決めて、このクラブと一緒にJ2に昇格したい」と意欲的にコメントした。

取材・写真◎石倉利英


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