上写真=天皇杯で鳥取デビューを飾った土肥。リーグ戦でも出場機会をつかむべく意気込む(写真◎石倉利英)
「あの4か月間は無駄ではなかった」
66番には、いろいろな思いが込められている。そのうちの一つは、中学時代にプレーしたRIP ACE SCでは公式戦で66番をつけており、当時を思い出して「心機一転でつけた」というもの。
ユースからトップチームに昇格したサンフレッチェ広島の、偉大な先輩にあやかった背番号でもある。広島の背番号6は、昨季限りで現役を引退し、今季からトップチームで指導者となった青山敏弘コーチが長年つけてきて、今季はMF川辺駿が継承。自分と同じボランチの名手が背負う6番を並べて、再スタートへの決意とした。
昨季限りで広島と、シーズン途中からの期限付き移籍先だったFC今治との契約が満了となり、約4カ月の浪人生活を経て、4月末に鳥取に加入した。今回の天皇杯が鳥取でのデビュー戦だったが、九州サッカーリーグのヴェロスクロノス都農に1-2で敗戦。雨と風が強く、ピッチに水が浮く難しいコンディションで「プレーを徹底できなかった」との課題が残った。
ただ悔しい結果とは別に、プレーできる喜びを感じた90分間でもあった。「久しぶりの公式戦で、ワクワクしていました。あの4カ月間は無駄ではなかったと思う」と振り返り、「いまプレーできていることが、本当にうれしい。いろいろな人に感謝したい」と再確認する場ともなった。
今後は最下位脱出と浮上を狙う明治安田J3リーグでの貢献を期す。5月31日の次節は、首位に立つ栃木シティとホームで対戦。「もっとボールに触って自分が攻撃に加わったり、チャンスを作ったりできれば。大事な試合なので、試合に絡めるように頑張りたい」と意欲的に語った。
取材・写真◎石倉利英