10月1日の明治安田生命J3リーグ第29節で、ガイナーレ鳥取とFC今治が対戦した。開始3分で鳥取が先制した立ち上がりからチャンスの応酬となり、今治も前半のうちに追い付く。しかし鳥取が後半に勝ち越すと、その後の反撃をしのいで競り勝ち、試合後の会見では増本浩平監督が涙を流す場面も見られた。

上写真=序盤からお互いにチャンスを作った両チーム。最後は鳥取が1点差で逃げ切った(写真◎石倉利英)

■2023年10月1日 J3リーグ第29節(@ヤジン:観衆3,025人)
鳥取 2-1 今治
 得点:(鳥)重松健太郎、田中恵太
    (今)近藤高虎

田中の鮮やかなミドルシュートが決勝点

 鳥取が練習拠点としている、米子市のオールガイナーレYAJINスタジアムでの今季2回目のホームゲーム。試合開始前は風が強かったが、前半のうちに収まり、おだやかな天候の下で激しい戦いが繰り広げられた。

 試合は開始直後の3分に動く。鳥取は右サイドを崩してオーバーラップしたDF田中がセンタリングを送ると、ファーサイドで待っていた重松がヘッドで決めて先制。鳥取の増本浩平監督が「相手はコンパクトに、タイトに守備をしてくるので、クロスはファーサイドの方が空いてくるという分析があった。分析どおり、狙いどおりの得点」と振り返る一撃で、早くも均衡を破った。

 さらに鳥取がゴール前でのチャンスを作るも、今治も7分、GKセランテスのロングキックから抜け出したFWマルクス・ヴィニシウスが決定機。しかし、右足で軽く浮かせて鳥取GK糸原を破ったシュートは、わずかに左に外れて決まらない。

 その後も両チームが意欲的に相手ゴールに迫る展開が続く中で、27分に今治が同点に追い付く。右サイドの深い位置からDF櫻内がロングスローを投げ入れ、エリア内にこぼれたところをMF近藤が左足で蹴り込んだ。

 今治は37分にも、M・ヴィニシウスのセンタリングをFW阪野がヘッドで合わせる決定機を作ったが、左に外れて決まらず。前半終了間際にはロングスローのこぼれ球を櫻内が右足ボレーで狙うも、GK糸原のファインセーブに防がれた。1-1で折り返した後半の55分には、阪野のポストプレーから近藤が右足で狙ったシュートが、またもGK糸原に防がれる。

 苦しい時間帯をしのいだ鳥取は61分、右サイドでパスを受けた田中が、エリア外右サイドから右足を一閃。わずかにブレながら落ちたシュートが鮮やかにゴール左上に決まり、少ないチャンスで勝ち越しに成功する。

 その後は今治がFWヴィニシウス・アラウージョ、FWラルフ・セウントイェンスなど、攻撃の交代選手を次々に投入して同点を目指す。89分にM・ヴィニシウスがこの日2回目の警告を受けて退場となった後も押し込んだが、鳥取は最後まで守り抜き、1点差で逃げ切った。

 鳥取は今治との勝ち点差を1に縮めて8位に浮上し、上位追撃へ勢いづく勝ち点3を手にした。増本監督は試合後の会見で「就任してからの試合でいくつか、僕が選手に勝たせてもらった、勝ち点を取らせてもらった試合があり、自分たちが力を発揮して勝ち点を取ってきて、いまの順位・状況があるんだと話しました。なので今日は自信を持って、しっかり戦おうと…」と話したところで涙ぐみ、しばらく言葉に詰まる場面が。その後は涙ながらに「本当に選手の力が出たと思って、すごくうれしく思っています」と奮闘を称えた。

取材・写真◎石倉利英

▼出場メンバー
・鳥取:GK糸原紘史郎、DF田中恵太(90分:坂本敬)、増谷幸祐、飯泉涼矢、鈴木順也、MF世瀬啓人、普光院誠(90分:知久航介)、牛之濵拓、富樫佑太(67分:東條敦輝)、小澤秀充(81分:田村亮介)、FW重松健太郎(67分:吉井佑将)

・今治:GKセランテス、DF櫻内渚(62分:下口稚葉)、市原亮太、照山颯人、MF三門雄大、土肥航大、山田貴文(75分:ラルフ・セウントイェンス)、新井光(62分:ヴィニシウス・アラウージョ)、近藤高虎(86分:松本雄真)、FWマルクス・ヴィニシウス、阪野豊史


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