天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会の2回戦が6月7日に各地で行なわれた。J1とJ2のクラブが登場し、いくつかのジャイアントキリングも起こる中で、J1のサンフレッチェ広島に挑んだのが、四国リーグのFC徳島。昨季までJリーガーだったキャプテンのDF小林陸玖は、大敗した苦い経験を胸に、再びJの舞台を目指す決意を新たにしている。

上写真=加入1年目でキャプテンを任されている小林。失点を重ねながらも、広島の攻撃に懸命に耐えた(写真◎石倉利英)

開始わずか7分の失点

 徳島県代表として8年連続8回目の天皇杯出場となったFC徳島は、5月21日に広島県福山市の福山通運ローズスタジアムで行なわれた1回戦で、SRC広島に3-1で勝利。J1クラブへの挑戦権をつかみ、この日を迎えた。

 1回戦と同じ会場で始まった一戦は戦前の予想どおり、開始直後から広島が攻め込む展開に。キャプテンマークを巻いてCBの一角に入った小林は、ディフェンスラインを統率しながら対応していたが、4分過ぎにアクシデントが起こる。

 左サイドのMF石津快が右足の太もも裏を押さえ、ピッチに座り込んでしまった。駆け寄る主審に、副審が「接触プレーはなかったです」と情報を伝える。医療スタッフが入って状態を確認したものの、そのままピッチの外に出ることになった。

 ベンチではFW服部俊也が交代出場の準備を始めたが、1人少ない状態を広島は見逃してくれなかった。再開直後のプレーで左サイドから攻め込まれると、センタリングを中央からヘッドで決められ、わずか7分でリードを奪われてしまう。

 試合後、小林は悔しそうに語った。

「SRC広島戦が終わってから2週間近くあり、サンフレッチェ戦に向けてJクラブとも練習試合をやって、自分たちの良い形ができていました。その中心だった石津が途中交代してしまい、チームに動揺が生まれた。キャプテンとしてもう一度、(チームの雰囲気を)締めるべきだったと思います。前半の早い段階での失点は、何としても防がなければいけなかった」

 早い時間に先制したことで、広島の攻めは迫力を増した。小林をはじめFC徳島は懸命に踏ん張っていたが、33分にPKを与えてリードを広げられる。後半にかけて何とか勝機を引き寄せようとするも、72分、75分、79分にも失点し、0-5の大敗。小林は「やっぱり個々の能力やスピード感は初体験のもの。違いを見せつけられました」と厳しい表情で振り返った。


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