4月10日の明治安田生命J3リーグ第5節で、ガイナーレ鳥取とY.S.C.C.横浜が対戦。今季未勝利のチーム同士の一戦は、気温30度を超える暑さとなったホームで前半から主導権を握った鳥取が、3-0で初勝利をつかんでいる。

上写真=大久保優(右)の3試合連続ゴールで先制した鳥取が、YS横浜を完封で下して今季初勝利(写真◎石倉利英)

■2022年4月10日 J3リーグ第5節(@チュスタ:観衆2,027人)
鳥取 3-0 YS横浜
得点:(鳥)大久保優、田口裕也、永島悠史

・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF丸山壮大、DF鈴木順也、増谷幸祐(85分:石田侑資)、魚里直哉、MF石川大地、知久航介(66分:世瀬啓人)、新井泰貴、永島悠史(77分:田村亮介)、FW田口裕也(66分:澤上竜二)、大久保優(77分:小田垣旋)

・YS横浜メンバー◎GK谷俊勲、DF橋本恭輔(85分:花房稔)、宗近慧、藤原拓也、MF脇坂崚平(HT:和田幹大)、土館賢人、古宿理久(68分:菊谷篤資)、宮内寛斗、神田夢実(33分:柳雄太郎)、吉田明生(68分:日高アレクサンドル)、FW林友哉

今後を見据えた采配も

 鳥取が練習拠点としている米子市のチュウブYAJINスタジアムでの、今季初のホームゲーム。前日までの好天が続いたこの日、公式記録の気温は31・3度まで上がり、4月中旬とは思えない強烈な日差しと暑さの中での一戦となった。

 前節のFC岐阜戦が中止となった鳥取は第3節まで1分け2敗、YS横浜は開幕戦の引き分け以降は3連敗。今季未勝利のチーム同士の一戦は、前半半ばに均衡が破れる。立ち上がりから敵陣でのボール奪取で良い形を作っていた鳥取は23分、相手のバックパスに素早く寄せた田口がボールを奪い、左サイドでボールをキープ。後方から猛然と追い越した永島につなぎ、永島のマイナスの折り返しを大久保が右足で合わせてネットを揺らした。

 大久保の3試合連続ゴールで先制した鳥取は、28分にも敵陣での相手のスローインをMF新井がインターセプト。これをエリア内で拾った大久保が田口に渡すと、田口が今季初ゴールとなる2点目を左足で蹴り込み、一気にリードを広げる。

 最終ラインからのビルドアップで攻め崩そうとするものの、鳥取の前線からのプレッシャーに苦しめられていたYS横浜は、前半終了間際と後半開始直後の、流れを変えられそうなチャンスも生かすことができない。まず44分、敵陣でのインターセプトからエリア内右サイドを崩し、脇坂が切り返しから左足シュートを放つも、鳥取GK田尻の正面。後半開始直後の右CKのチャンスではファーサイドへのボールを、昨季まで鳥取でプレーしていた藤原がヘッドで合わせたが、クロスバーに当たった。

 後半の入りの悪さで主導権を手放しかけた鳥取だが、何とかしのいだ末に67分には追加点を奪う。自陣でのFKからのロングボールを、澤上が右サイドからヘッドで折り返すと、ボールはエリア内へ。フリーで拾ったYS横浜の橋本がゴール前から右サイドにつなごうとしたところに、永島がプレッシャーをかけてボールを奪い、そのまま蹴り込んだ。

 勝利に大きく近づいた鳥取は、3点目の直前に交代出場していた澤上や世瀬に加え、田村、小田垣、石田と、すべて今季初出場となる選手を交代出場させて、今後を見据えた采配も。そのまま無失点に抑え、完封勝利を収めた。

 遅まきながらの今季初勝利に、鳥取の金鍾成監督は「サポーターの皆さんの前で1勝するまでに時間がかかってしまった。それでも今日、多くの人が集まってくれた中で勝ったのはよかった」と喜び、「我々は昇格という高い目標を掲げているので、常にそこを目標にチャレンジしなければいけない。我々はチャレンジャーで、いかに積極的にいけるかが、これからのポイントになってくる。そういう姿勢は少し見えたのかなと思う」とコメント。一方で「リードした後に、強度を無意識に下げてしまっているところがある。より厳しいところでやっていけるように追求していきたい」と課題を挙げていた。

現地取材・写真◎石倉利英


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