ガイナーレ鳥取GK糸原紘史郎が、プロ2年目でJリーグデビューを果たした。先制点を奪われるなど3失点を喫したものの、チームは勝利。試合後は安堵するとともに、多くの祝福の声が寄せられたという。

上写真=Jリーグデビュー戦を勝利で飾った糸原(写真◎GAINARE TOTTORI)

3失点もホーム連敗を8でストップ

 11月7日の明治安田生命J3リーグ第26節・藤枝MYFC戦で、鳥取は24分に先制されたものの、後半にかけて4得点を奪う猛攻で逆転。その後に2失点するも4-3で勝ち、不名誉なJ3ワースト記録だったホームでの連敗を8で止める勝利をつかんだ。

 先発してJリーグデビューを飾った糸原は「試合終了の笛を聞いた瞬間は、うれしさよりも安心して、ホッとした」と振り返った。攻撃陣の爆発を勝ち点3につなげられない可能性があっただけに、「3点リードしてくれていたので、何とか勝てたという安心感があった」という。

 地元の鳥取県倉吉市出身で、FCカミノ、サンフレッチェ広島ユース、びわこ成蹊スポーツ大を経て昨季、鳥取に加入。1年目は、リーグ戦でチーム唯一の全試合フルタイム出場を果たしたGK田尻健の牙城を崩せず、公式戦の出場機会をつかめなかった。

 今季も同様の状況が続いていたが、シーズン終盤にチャンスをつかんだ。試合当日、豊島幸一GKコーチからは「シュートが来たら止める。パスを味方に渡す」というシンプルなアドバイスがあったが、「それまでも練習後のジョギングや自主練習で、いろいろ教えてもらっていたので、頭の中で確認しながらプレーした」という。

 試合後は友人や知人から、たくさんのメッセージが届いた。「サンフレッチェ広島のアカデミーのスタッフの方や、大学時代にお世話になったトレーナーの方、コーチの方。同級生で、久しぶりに連絡をくれた人も」いたとのことで、LINEやSNSで50~60人から。「大学時代にお世話になった教授の方からは長文のメッセージが来て、卒業しても見てくださっているのが、うれしかったです。こんなに反響があるのかと思いました」と笑顔を浮かべた。

 試合の映像を見直して、課題も多く見つかったと感じている。「3失点目のPKにつながったプレーは、僕のミス。日頃の練習から意識できるものだったので、練習だけでは分からないところまで意識を高くしなければいけないと、試合に出て、あらためて感じた」と語り、「デビュー戦で、いろいろなことが起こりました。それに対応するだけの準備が必要」と今後を見据えた。

 今季は残り4試合。依然として最下位(15位)の鳥取は、少しでも順位を上げてシーズンを締めくくりたい。糸原は次節以降に向けて「まずは試合に出場し続けられるように、練習からしっかりやっていく」と言葉に力を込め、「試合で勝利に結びつけるのが最も大事なこと。残り試合もすべて勝てるようなパフォーマンスを見せたい」と意気込んでいた。

取材・写真◎石倉利英


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