8月28日の明治安田生命J3リーグ第16節で、ガイナーレ鳥取とロアッソ熊本が対戦。前半に先制した熊本が、後半立ち上がりに一度は追い付かれながらも突き放し、再開初戦を制して2試合ぶりの勝利をつかんだ。

上写真=約1カ月半ぶりのリーグ再開初戦。熊本が最下位の鳥取を下した(写真◎石倉利英)

■2021年8月28日 J3リーグ第16節(@Axis:観衆1,351人)
鳥取 1-2 熊本
得点:(鳥)石川大地
    (熊)伊東俊、杉山直宏

・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF魚里直哉(71分:坂本敬)、石田侑資、鈴木順也、杉井颯(82分:小山珠里)、MF世瀬啓人、新井泰貴、原田虹輝(59分:秋山大地)、永島悠史(71分:田口裕也)、清永丈瑠(82分:可児壮隆)、FW石川大地

・熊本メンバー◎GK内山圭、DF黒木晃平、菅田真啓、酒井崇一、MF上村周平、河原創、岩下航、杉山直宏(80分:坂本亘基)、ターレス(90+5分:水野泰輔)、FW髙橋利樹(89分:浅川隼人)、伊東俊(89分:岡本知剛)
 ※実際のポジションで表記

追い付かれた後にPKで勝ち越し

 約1カ月半の中断期間を経てのリーグ再開初戦。この日の鳥取地方は夕方から小雨が降ったりやんだりの不安定な天気で、日が沈んでからも蒸し暑さを感じさせる中での一戦となった。

 立ち上がりから熊本がテンポ良くボールを動かし、奪われた後も素早い切り替えと強度の高い守備で奪い返して押し気味に進める。14分には両サイドを広く使った展開から、MF岩下航が左サイドから右足で中央へセンタリング。中央の味方には合わなかったがゴールに向かって飛んだボールを、鳥取GK田尻健がはじいたところに詰めたFW伊東俊が蹴り込み、均衡を破った。

 その後も熊本は、MF杉山直宏が右サイドから放ったシュートがクロスバーに当たるなど、惜しいシーンを作って追加点を狙う。鳥取は攻撃で良い形を作れず、苦しい時間帯が続いたが、何とか1点差でしのいで徐々に反撃。MF原田虹輝やMF永島悠史が際どいシュートを放つなど、少しずつ流れを引き寄せていった。

 劣勢から持ち直して前半を終えた鳥取は、後半立ち上がりに同点ゴール。47分、セットプレーのセカンドチャンスから、永島のエリア外からの左足シュートを熊本GK内山圭がはじいたこぼれ球を、素早く詰めたFW石川大地が蹴り込んだ。

 良い時間帯に追い付いた鳥取は攻撃の勢いが増し、相手陣内に攻め込む形を増やしていくが、熊本も前半戦14試合を終えてリーグ最少タイの12失点という堅い守りではね返すと、62分に勝ち越し点を奪う。右サイドからドリブルでエリア内に侵入した杉山が、鋭い切り返しの後に鳥取DF杉井颯のファウルを受けてPKを獲得。このPKを杉山が自ら決め、2-1とした。

 その後は鳥取が選手交代も交えて前への圧力を強め、再び同点を狙う。熊本もしっかり立ちはだかってはね返し、カウンターから良い形で攻め込む場面があったが、どちらも得点に結びつけることができない。鳥取は87分にDF石田侑資がドリブル突破から右足で狙ったが、熊本守備陣にブロックされた。

 結局、そのまま熊本が2-1で勝利。6月の第12節、ホームで鳥取と対戦したときは、89分に追い付かれて1-1の引き分けに持ち込まれたが、今回はアウェーで逃げ切って2試合ぶりの勝ち点3をつかんだ。熊本の大木武監督は「(後半に)リードしてからバタバタしなかったのは評価できる。(要因は)しっかり自分たちがボールを持てたこと」と振り返り、良い形で攻め込む回数は多かったがシュートが少なく、2得点に終わったことについても「もちろん点は取れればいいですが、2点取れば十分です」と評した。

現地取材・写真◎石倉利英


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