6月26日の明治安田生命J3リーグ第13節で、ガイナーレ鳥取と福島ユナイテッドFCが対戦。前半から押し気味に進めながらも得点が遠かった福島が、後半に負傷明けのFWトカチが決勝ゴールを決め、2連勝を飾った。

上写真=ピンクのユニフォームで臨んだ福島が鳥取を下して2連勝(写真◎石倉利英)

■2021年6月26日 J3リーグ第13節(@Axis:観衆:1,057人)
鳥取 0-1 福島
得点:(鳥)なし
   (福)トカチ

・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF石田侑資、鈴木順也、石井光輝、杉井颯、MF世瀬啓人(81分:谷尾昂也)、新井泰貴、秋山大地(72分:原田虹輝)、可児壮隆(88分:小牧成亘)、石川大地、FW田口裕也(HT:永島悠史)

・福島メンバー◎GK山本海人、DF福島隼斗、堂鼻起暉、鎌田翔雅、MF池髙暢希(56分:トカチ)、上畑佑平士(88分:柴圭汰)、鎌田大夢、田中康介、雪江悠人(56分:橋本陸)、樋口寛規、FWイスマイラ(78分:吉永大志)
 ※実際のポジションで表記

今季初ゴールが決勝点に

 鳥取にとっては今季初めてホームで開催するナイトゲーム。鳥取市の上空は厚い雲に覆われたものの、心配された雨は降らず、少しずつ風が強まる中での一戦となった。

 立ち上がりから主導権を握ったのは福島だった。鳥取の攻撃のスカウティングに沿って「選手を誰がつぶしにいくのかを明確にしてやることができていた」とGK山本が振り返った守備が安定し、ゴールに近づけさせない。奪ったボールは両サイドを広く使いながら敵陣へと運び、チャンスをうかがった。

 しかし、鳥取の粘り強い守備を崩すには至らず、多くの機会があったCK、FKなどセットプレーも生かすことができない。前半だけで7本のシュートを放ちながらもゴールが遠く、前半は0-0で終了した。

 対照的に前半はシュート1本に終わった鳥取は、後半開始からMF永島を投入。MF石川を前線に上げて選手の配置を変えると、相手のプレッシャーをかいくぐる場面が増えた。だが福島も62分に山本のロングキックをFWイスマイラがヘッドでつなぎ、最後は交代出場のFWトカチが際どいシュートを放つなど、一進一退の攻防が続く。

 均衡が破れたのは65分だった。鳥取DF石井のパスをMF樋口が敵陣でインターセプトすると、イスマイラにつなぎ、さらに左サイドを上がってきたトカチへ。左足シュートは鳥取GK田尻がブロックしたが、こぼれ球を拾ったトカチが鳥取DF石田の寄せの甘さを突き、右足でファーサイドへのミドルシュートを決めた。

 先制した福島は、イスマイラがカウンターから惜しいシュートを放つなど追加点を狙い、鳥取も何とか追い付こうと懸命の反撃を見せる。81分には永島のパスを受けた石川が左足で狙うも、ボールは大きく枠を外れた。

 その後も福島は追加点を奪えず、終了間際には鳥取が猛攻を見せる。4分と表示された後半アディショナルタイムの90+2分には、DF杉井の縦パスを受けた永島がエリア内につなぎ、走り込んだ交代出場のMF原田が左足で狙ったが、山本が素早く間合いを詰めてブロックするファインセーブ。その後のCKやFKではGK田尻も攻め上がったが、福島は最後までゴールを割らせず、1点を守り切った。

 決勝点のトカチは開幕直前の3月に左第5中足骨を骨折して出遅れ、6月13日の第11節の終盤に今季初出場。試合がなかった第12節を挟み、今季2試合目の出場で貴重な働きを見せた。時崎悠監督が「ケガからチームに合流して、しっかり時間も過ごしている。試合の流れを見て、ここだというタイミングで自信を持って入れた」という期待に応え、2連勝に貢献した。

現地取材・写真◎石倉利英


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