6月13日の明治安田生命J3リーグ第11節で、ガイナーレ鳥取とAC長野パルセイロが対戦。立ち上がりに先制した長野が、後半に1点を返された後も得点を重ね、Jリーグ参入後のクラブ史上最多得点で圧勝した。

上写真=三田尚希(14番)のハットトリックなどで8ゴールを奪った長野が開幕戦以来の今季2勝目(写真◎石倉利英)

■2021年6月13日 J3リーグ第11節(@チュスタ:観衆1,256人)
鳥取 1-8 長野
得点:(鳥)鈴木順也
    (長)三田尚希3、森川裕基2、上米良柊人、榊翔太、坪川潤之

・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF世瀬啓人(74分:小牧成亘)、鈴木順也、藤原拓也(81分:坂本敬)、杉井颯、MF石田侑資、新井泰貴(HT:秋山大地)、原田虹輝(56分:田口裕也)、永島悠史(74分:谷尾昂也)、可児壮隆、FW石川大地

・長野メンバー◎GK田中謙吾、DF川田拳登(HT:吉村弦)、喜岡佳太、広瀬健太、水谷拓磨、MF住永翔、坪川潤之(90+2分、東浩史)、三田尚希、藤山智史(86分:山本龍平)、森川裕基(77分:宮阪政樹)、FW上米良柊人(77分:榊翔太)

開幕戦以来の今季2勝目

 鳥取が練習拠点としている、米子市のチュウブYAJINスタジアムでの今季初のホームゲーム。前日から断続的に小雨が降り続いた米子地方は、当日も午前中は雨模様だったが、試合開始1時間前には晴れ間がのぞき、そのぶん猛烈な蒸し暑さの中での一戦となった。

 キックオフ直後から長野が意欲的にゴールに迫り、勢いのままに6分にスコアを動かす。DF広瀬のロングパスを左サイドに流れて受けたMF坪川がセンタリング、中央に入り込んだMF三田がヘッドで合わせてネットを揺らした。

 鳥取の淡泊な守りを突き、あっさり先制した長野は、その後も最終ラインからの組み立てを狙う鳥取の攻めを、高い位置からのプレッシャーで寸断して優位に進める。22分にはFW上米良のスルーパスを鳥取DF杉井が処理できず、フリーとなった三田がGKとの1対1を冷静に沈めてリードを広げた。

 鳥取も徐々にプレッシャーをかいくぐって攻め込む時間が増え、41分には杉井のセンタリングをMF原田が落とし、MF永島が右足で狙うチャンスがあったが、わずかに右に外れる。ピンチをしのいだ長野は44分、MF森川がエリア外から強烈なミドルシュート。これがゴール左下スミに鮮やかに決まり、3-0として前半を終えた。

 ハーフタイムに1人を交代させて反撃を狙う鳥取は、さらにFW田口を投入する準備を進めていた。だがその矢先の55分、長野はCKから森川がヘディングシュート、手前にいたフリーの上米良に当たる形となったが、上米良はうまく処理して反転しながら左足で蹴り込み、4-0とする。

 鳥取も62分、CKからFW石川がヘッドで狙い、ファーサイドを突いたシュートは長野GK田中がよく触ったが、詰めていた鳥取DF鈴木に当たってゴールイン。意地で1点を返したものの、試合の流れを変えることはできなかった。

 長野は72分に森川がこの日2点目を決めると、78分には三田がハットトリックを達成して6-1。鳥取のファン・サポーターのため息と、長野のファン・サポーターの歓声がスタジアムに交錯する中、80分にFW榊、83分には坪倉が決めてゴールラッシュを締めくくり、8-1で圧勝した。

 長野は2014年11月のJ3第33節、Y.S.C.C.横浜戦での6得点(〇6-1)を上回る、Jリーグ参入後のクラブ史上最多得点の猛攻(鳥取の8失点もJ参入後のクラブワースト記録)で、開幕戦以来となる今季2勝目。横山雄次監督は「リーグ戦の成績が良くなくて、多くのファン・サポーターの方の期待に応えられていない状況でしたが、先日の天皇杯(※川崎フロンターレに1-1からのPK戦で惜敗)を含め、選手たちは立ち向かっていく姿勢を見せてくれていた。今日も選手たちの気持ちを見ることができた場面が随所にあり、監督として選手たちに感謝したい」と喜んだ。

 次節は6月20日に、ホームで2位のカターレ富山と対戦する。今季ホームでは2分け2敗の未勝利だけに、横山監督は「これを一つの良いきっかけにして、次のホームで、長野のファン・サポーターの方の前で勝ち点3を取る試合を見せなければいけない。あらためて選手たちには声を掛けましたし、僕もそういう気持ちでいます」と、早くも次に視線を向けていた。

現地取材・写真◎石倉利英


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