ロアッソ熊本FW谷口海斗が、今季のJ3得点王に輝いた。リーグ最多得点のチームで得点源として活躍し、全34試合に出場して18得点。それでも、J2昇格を逃したチームの成績を踏まえ、さらなる成長を誓った。

上写真=最終節は無得点に終わったものの、J3得点王に輝いた谷口(写真◎石倉利英)

■2020年12月20日 J3リーグ第34節(@Axis:観衆973人)
鳥取 2-1 熊本
 得点:(鳥)井上黎生人、フェルナンジーニョ
     (熊)浅川隼人

「昇格できず残念」

 12月20日の明治安田生命J3リーグ最終節で、ガイナーレ鳥取とアウェーで対戦したロアッソ熊本は、1-2で敗戦。優勢に進めていた時間帯に得点できず、数少ないピンチで失点した展開を振り返り、FW谷口海斗は「立ち上がりから自分たちのペースでやれていたんですけど、もっとゴール前に迫力を持っていければよかった。シュートだったり、クロスだったり、迫力を持ってプレーできれば、チャンスの数も増えて、得点に結びつくシーンがもっと増えたと思います」と反省点を口にした。

 大木武監督が就任した今季、熊本は開幕4連勝の好スタートを切ったものの、中盤以降は思うように勝ち点を伸ばせず、8位でシーズンを終えた。「結果として昇格できず、目標を達成できなかったので残念」と振り返った谷口は、勝ち切るために必要なことは、との質問に「自分たちの時間をより多く作って、攻撃の時間をもっと増やせれば、ピンチは減ります。あっさり失点していたこともあったので、局面のところでもっと体を張ったり、やり切れればよかった」と課題を挙げた。

 四日市中央工高(三重)時代は主にボランチでプレーしており、レギュラーになれなかった。しかし、岐阜経済大(現名称は岐阜協立大)2年のときに自ら志願してCBからFWに転向すると才能が開花し、4年生のときには東海学生リーグで得点王に輝いている。2018年、いわてグルージャ盛岡(当時の名称はグルージャ盛岡)に加入し、1年目は23試合出場・15得点、2年目も32試合出場・9得点と活躍して評価を高めた。

 熊本に完全移籍した今季も、開幕戦の2得点から始まってコンスタントに得点。リーグ最多の56得点を挙げたチームにあって、全34試合に出場して18得点を挙げ、2位の宮本拓弥(Y.S.C.C.横浜)に4点差をつけて初のJ3得点王に輝いた。

「いろいろな形で得点を取れたところは、去年より成長できたかなと思う」と自身のパフォーマンスを評した谷口は、それでも「自分がチャンスを作って、決めることができていたら、もっと結果も伸ばせていたのかなという思いはある」とコメント。個人タイトルに満足せず、より大きなチームへの貢献を目指す決意を口にした。

現地取材◎石倉利英 写真◎石倉利英、AC KUMAMOTO


This article is a sponsored article by
''.