ガイナーレ鳥取FW田口裕也が、鹿児島ユナイテッドFC戦で13試合ぶりに得点。だがチームは敗れ、悔しさをかみ締めた。求めていた結果を出したものの、ライバルの存在に依然として強い危機感を抱いている。

上写真=7月の第7節以来となる得点を決めた田口(写真◎石倉利英)

■2020年10月7日 J3リーグ第20節(@Axis:観衆691人)
鳥取 1-3 鹿児島
得点:(鳥)田口裕也
    (鹿)馬場賢治、枝本雄一郎、三宅海斗

「ニアに入れと言われていた」

「点が取れずに焦りがあり、ヤバいという気持ちだったので、13試合ぶりにゴールを奪えたことはプラスに考えています。ですが、そのゴールが結果につながらなかったのは悔しいです」

 ガイナーレ鳥取FW田口裕也に喜びはなかった。10月7日の明治安田生命J3リーグ第20節、鹿児島ユナイテッドFCの44分に得点。0-2からの追撃の1点でチームを勢いに乗せたが、その後に得点できなかった鳥取は試合終了間際に突き放され、1-3で敗れている。

 MF安藤一哉のセンタリングに合わせてニアサイドに入り、ダイレクトで右足を振り抜いた得点シーンを「トレーニングから志垣良コーチに、ニアに入れと言われていた」と語る。プロ1年目の今季、開幕戦でJリーグデビューを果たして初ゴールを決め、第7節までに3得点。好スタートを切りながらも、その後は12試合無得点と苦しんでいたが「点が取れずに焦っているとき、上松瑛さんや小牧成亘さんが『取れるよ、大丈夫』と言ってくれていて、今日は試合前から絶対に取ってやろうという気持ちだった」という思いを実らせた。

 チームが敗れた悔しさを胸に、「やっと1点取れたことをプラスにして、これからも継続してゴールを取ることで、チームが良い方向にいくと思う。自分が結果を出してチームを勝たせる、良い流れを作ることができれば」と言葉に力を込める。得点を決めても、なお危機感を抱くのは、ライバルの存在があるからだ。

 10月2日にヴァンラーレ八戸から、かつて鳥取でプレーしたFW谷尾昂也が完全移籍で6年ぶりに復帰し、10月11日の次節、カマタマーレ讃岐戦から出場が可能になる見込み。FW大久保優は前節にゴールを決めており、ポジション争いは激しさを増しそうだ。

「自分が結果を出していなかったので、フォワードを補強する形になっている。大久保選手も前節で結果を出しています。谷尾選手も(今季第9節で)対戦したとき、すごく怖い選手という印象を持っていました。次節から谷尾選手が出られるので、かなり危機感を持ってやっている」

 そう現状を語った田口は「プロの世界は結果を出さないと、試合に出られないのは当たり前。これからも結果を出して、ポジション争いにしっかり勝っていきたい」と力強くコメント。チーム内競争に勝ち、チームを勝たせる決意を新たにしていた。

現地取材・写真◎石倉利英


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