前節のアスルクラロ沼津戦で、絶好の得点機を逃したガイナーレ鳥取DF石井光輝。触るだけでも入ると思われたシュートが外れてしまったのには、当事者にしか分からない、2つの理由があったという。

上写真=時折、雨も降る中で9月17日の練習を消化した石井(写真◎石倉利英)

先制点に「ホッとした」

 9月12日の明治安田生命J3リーグ第15節で、ガイナーレ鳥取はアスルクラロ沼津を1-0で下した。前半アディショナルタイムのFWフェルナンジーニョのゴールが決勝点となったが、その前にも何度かチャンスがあった。

 その中でも最大の先制機は26分。フェルナンジーニョの左CKをDF井上黎生人がヘッドで触ったボールがファーサイドに流れたところに、DF石井光輝が待っていた。GKはニアサイドにいたので、がら空きのゴールへ、触るだけで入るかと思われたが、右足シュートが当たり損ねのような形になって外してしまう。

 石井は7月のJ3第6節、FC今治戦で同点ゴールを決め、2-1の逆転勝利に貢献している。昨季Jリーグ初ゴールを決め、通算2得点。1年に1得点のペースで、このときは「みんなに『ネンイチ(1年に1回)のゴール』と言われている」と笑いつつ、「今季は2点、3点、4点と取れるように頑張りたい」と意気込んでいた。

 ファーサイドの位置に入ることは「狙っていた」と振り返る石井が、目指していた今季2点目を逃してしまったのには、2つの理由があった。

 まず、ニアサイドで高く飛び上がった井上を見上げた先に照明があり、「その光でボールが見えなかった」ため。さらに、石井の手前では相手DFがクリアしようとしており、それとも重なってボールが見えなかった。相手DFがクリアできずに空振りした直後、ボールが不意に目の前に来たという。
 
 その瞬間を石井は「気付いたらボールが当たっていた」と振り返る。
 
 つまり『KBA(気付いたら・ボールが・当たっていた)』だったのだ。
 
 それでもフェルナンジーニョの先制点で、リードして前半を終えることができた。石井は当時を思い出して「あのまま後半に入ったら嫌な展開だったけど、フェルさんが点を取ってくれてホッとした」と笑った。

 勝ち点3を積み上げて3位をキープした鳥取は9月19日の第16節で、首位のブラウブリッツ秋田とアウェーで対戦する。秋田は前節までに14試合を戦って11勝3分けの無敗、失点わずか4という堅守が際立つ。1試合消化が多い状態で勝ち点6差の鳥取としては、今季初黒星をつけて差を縮めたい一戦だ。

 石井は「秋田はパワーがあって、首位なので勢いもあると思う」と難敵を分析。「どれだけ、はね返すことができるか。一つのヤマ場なので、全員で力を合わせて勝ちたい」と敵地での一戦に意気込んでいた。

取材・写真◎石倉利英


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