8月29日の明治安田生命J3リーグ第12節で、ガイナーレ鳥取とAC長野パルセイロが対戦。前半から押し気味に進めた長野が終盤に先制したが、鳥取も5分後に追い付き、1-1の引き分けに終わった。

上写真=長野のセットプレーのチャンスで激しく競り合う両チームの選手たち(写真◎石倉利英)

■2020年8月29日 J3リーグ第12節(@Axis:観衆818人)
鳥取 1-1 長野
得点:(鳥)フェルナンジーニョ
    (長)牧野寛太

・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF上松瑛(78分:フェルナンジーニョ)、井上黎生人、石井光輝、MF安藤一哉、三沢直人、可児壮隆(61分:新井泰貴)、MF魚里直哉、FW坂井大将(78分:小牧成亘)、田口裕也(55分:ジョアンデルソン)、小林智光(HT:新井光)

・長野メンバー◎GK阿部伸行、DF吉村弦(65分:川田拳登)、広瀬健太、浦上仁騎、水谷拓磨、MF坪川潤之(90+1分:岡佳樹)、藤山智史、東浩史(82分:佐相壱明)、FW三田尚希、吉田伊吹(65分:佐野翼)、大城佑斗(HT:牧野寛太)

交代出場直後のゴール

 この日の鳥取市の最高気温は37・3度。日没後に少し涼しくはなったが依然として蒸し暑く、両チームの選手にとってはタフなコンディションでの一戦となった。
 
 立ち上がりから主導権を握ったのは長野。今季の得点源となっているセットプレーからゴールに迫り、26分にはDF水谷拓磨のFKを、DF広瀬健太がダイビングヘッドで狙う決定機もあったが、鳥取GK田尻健の好セーブに阻まれる。鳥取は39分にFW田口裕也のシュートのこぼれ球を、エリア内で拾ったFW坂井大将が狙ったが、今度は長野GK阿部伸行が素早く前に出てブロックした。
 
 後半も長野がボール支配率で上回って多くのチャンスを作るものの、MF東浩史やMF三田尚希のヘッドはクロスバーの上に外れ、チャンスを生かせない。だが、なおも攻め続けると74分、交代出場のMF牧野寛太が左45度から鮮やかなミドルシュートを沈め、ついに均衡を破った。
 
 ルーキー牧野のJリーグ初ゴールで長野が勝利に一歩近づいたが、これでようやく目が覚めたのか、反撃に転じた鳥取がすぐさま同点ゴールを奪う。79分、MF魚里直哉が左サイドを突破して送ったセンタリングを、1分前に交代出場したばかりのFWフェルナンジーニョがヘッドで合わせ、ネットを揺らした。

 その後はお互いにゴール前まで攻め込むシーンがあったものの、勝利への2点目は生まれず。そのまま1-1で終了し、勝ち点1を分け合う結果となった。

 同点ゴールを決めたフェルナンジーニョは、今季6試合目の出場でシーズン初ゴール。メインスタンドに走り、アナ夫人と息子のサムエルくんに向かってハートマークを作り、何かを叫んでいたのは、2つの理由があったという。

「一つは、息子にゴールを決めると約束していたから。もう一つは、今日が奥さんとの17回目の結婚記念日だから、ハートマークを送ったんだ」

 結婚記念日の同点ゴールで、劣勢だった鳥取は何とか勝ち点1を獲得。殊勲のフェルナンジーニョは「勝ち点3を取れなかったのは残念」と語る一方、「個人的には、自分にとっても、息子にとっても、奥さんにとっても良いゴール、良い一日になった」と喜んだ。

現地取材・写真◎石倉利英


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